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[コメント] ムーラン・ルージュ(2001/豪=米)

二十一世紀のミュージカルには品も趣味のよさも積極的に不要なのだとするならば、こういう映画もまあよろしかろう。なーんてしかつめらしいことは云いません。私たちが愛してやまない往年のMGMミュージカルとはまるで質を異にしているが、確かな幸福感がここにはある。
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私は「象の部屋」でニコール・キッドマンとボヘミアンらが即興的に共謀して公爵リチャード・ロクスバーグを欺くくだらないミュージカル・シーンがずっと続けばよいと思った。くだらなく、また醜くくさえもあるそのシーンには、しかしこの映画の幸福感の最大値が記録されていた。その幸福感はもっぱらキッドマンに、とりわけキッドマンの生き生きした表情に拠っている。この映画は音楽のみならず視覚処理的にもうるさい、のではなく、にぎやかなのだと肯定的に云いたい。そう思わしめるのもキッドマンの華のためだ。キッドマンは確かに九〇年代以降で最大級のスターだと思う。ラーマンの頑張りだって涙ぐましい。

(評価:★4)

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