[コメント] 美貌に罪あり(1959/日)
日本映画には日本映画のダンスシーンがあるのだ。杉村春子と山本富士子の盆踊りの凄まじさ。踊りが始まるとき、杉村の表情が瞬間的にプロフェッショナルのそれに変貌する。どうしてたかが盆踊りをするのにそんな本気顔になる必要があるのか!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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正直云うと、私はこの若尾文子にも山本にも心からの満足はしない。しかし野添ひとみの可憐さにはちょっとたまらないものがある。彼女の聾を活かした線路シーンは案の定だが、堅実な演出によってよい緊張感が生み出されている。
山本のパートについては、いくら原作が川口松太郎とは云え鉄筋アパートの建つ時代にごりごりの芸道物かー、と半ば驚き半ば呆れながら見ていたのだが、まあ思ったほどごりごりの展開にはならずに済んだし、何よりなかなかどうして『鶴八鶴次郎』の長谷川一夫のようなこの勝新太郎が悪くない。勝・山本の舞踊に杉村の盆踊りが採り入れられるあたりなんかいいかげんだなあとは思いつつも、同時に感動を抑えられない。
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