[コメント] 南の島に雪が降る(1961/日)
敵機が迫っているにもかかわらずファーストシーンから何やらほのぼのしたムードが流れているなあと思っていると、演芸分隊オーディションのシーン辺りから加速度的に戦場がユートピア化してゆく。この幸福な時間の流れは心を打つ。
「ユートピア化された戦場」という設定の妙だけが感動的なのではないし、これが戦場を理想視した映画というわけでももちろんない。一心に公演を見つめる観客兵士たちのまなざしは戦場における抜き差しならない切迫感を反映している。
映画の空気を一変させるフランキー堺のピアノ演奏シーンも特筆すべきすばらしさ。随所で効果的に縦の構図が用いられるなど、画作りの面での創意も総じて高い。
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