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★3ブラック・クランズマン(2018/米)バディ・ムーヴィとしては粗末である。ジョン・デヴィッド・ワシントンは発端こそ作るものの潜入捜査における貢献が過小だ。またアダム・ドライバーが相対的に優秀に過ぎ、彼が電話対応を兼務しない道理がない。白人の差別主義者を虚仮にするのは当然だが、黒人主人公をも頓着なく侮った演出は不穏当だ。DSCH, disjunctive[投票(2)]
★4スパルタカス(1960/米)画面を注視しているだけで飽きることがない。というより、画面を注視する以外にこの長大な上映時間を退屈せずに過ごす方法はない。カーク・ダグラスが気に入らないということもあって私は好きになりきれないのだが、低く評価することもまた許されない作品だ。 [review]マカロン, りかちゅ[投票(2)]
★5大人の見る絵本 生れてはみたけれど(1932/日)本人たちにとっては大問題でも客観的に見れば日常生活の些事に過ぎない事柄を描きながら、「人生の真理」とまで呼んでしまいたくなる何ものかを観客に感取させてしまう作劇術は、すでにここにおいて完成している。ああ、それにしても列車を登場させないと気が済まない小津! [review]緑雨, パグのしっぽ, Santa Monica, りかちゅほか6 名[投票(6)]
★4ヴェラクルス(1954/米)バタバタと人が死ぬカネ本位の展開ながらも一抹のロマンティシズム漂う物語や埃っぽい画面は、後のペキンパー西部劇やマカロニ・ウェスタンの礎となったか。もっぱら利害関係に基づいた協力と裏切り。 [review]ゑぎ, ぽんしゅう[投票(2)]
★4ビデオドローム(1983/カナダ)徹底して「視覚」の物語を展開させるのは実に映画らしい。同時に、視覚を歪めて限りなく触覚に接近させるのがクローネンバーグらしさなのだろう。現実と幻覚(妄想)の等価性がきっちり保証されているので、教授や眼鏡屋の正体・目的が明かされてもその真偽は眉唾物であり、陳腐に堕するのを回避している。 [review]けにろん, 赤い戦車[投票(2)]
★4キラー・インサイド・ミー(2010/米=スウェーデン=英=カナダ)ケイシー・アフレックの類例なき造型が最高に不可解だ。ぼそぼそと雄弁なヴォイスオーバーは単なる音帯上の音声でしかなく一向に行動を解き明かさない。癖ある役者陣の和もアフレックの甲高い声に乱されてスリリングな不協和音を奏で、迫真の撲殺アクションが観客の瞳を挑発する。ああ何たる断絶感空虚感!セント, けにろん[投票(2)]
★4ナイト・オブ・ザ・リビングデッド ゾンビの誕生(1968/米)人間の負の面を照射する装置としての異形の者リヴィング・デッド、というすぐれて文学的な着想を一篇の映画作品へと仕立て上げていくロメロの手際は見事の一言。 [review]DSCH, けにろん[投票(2)]
★3歩いても 歩いても(2007/日)これだけ芸達者が揃ったなかで阿部寛が主人公を務めるというのには少しく辛いところもあるのだが、阿部の硬さがいつもの是枝的巧さ=厭らしさを減じるようにも働いており、印象は悪くない。見え透いた小細工のためにやはり窮屈になっているものの、以前の是枝作品と比べれば観客に「開かれた」映画だ。 [review]ゑぎ, 緑雨[投票(2)]
★4黄金時代(1930/仏)ブニュエルの原液――豊かな着想、強烈なイメージ、その自由な連鎖。一度見たらもうそれを見る以前の自分と同じではいられなくなる、つまり人生を変えてしまう映画。と云ってもそれは大層なことではなく、たとえば、私たちはもう『黄金時代』を思い出すことなしに「サソリ」を見ることはできないということ。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★5小早川家の秋(1961/日)これも中村鴈治郎の映画だ。独壇場というほどではないにしても、中村がこの作品において果たしている役割は単なる主演というものを超えている。 [review]緑雨, chokobo, 直人, けにろん[投票(4)]
★4カラビニエ(1963/仏)「音響」の映画。それは音響が主題となっているというより、少なくとも音響だけはその凄さが誰の目(耳)にも明らかだろうという意味で。ゴダールほど耳の発達した映画作家はそういない。ひとつびとつ丁寧に暴力性が込められた銃撃音を聴いているだけでじゅうぶん楽しめる映画だ。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4グリーンブック(2018/米)ヴィットリオ・ストラーロの孤独な闘いが実を結んだのか、『ヘレディタリー 継承』『ビール・ストリートの恋人たち』そして本作と、一対二のアスペクト比が近時とみに流行の兆しを見せている。フィルム撮りがほぼ絶えた今日、アス比のみを取り上げてこれをユニヴィジウムと呼んでよいのかは知らねども。 [review]pom curuze, ありたかずひろ, 緑雨, ぱーこほか11 名[投票(10)]
★3ニューヨークの王様(1957/英)赤狩り批判モードへの突入には無理があるが、焦点となる天才少年役マイケル・チャップリンがよい。『独裁者』等と同様に説教臭くなるはずの演説を子供にさせること、チャールズ自身は王族を演じることで巧妙に相対化が図られている。宴席で唐突に商品の宣伝を始めるドーン・アダムスの狂気的なさまなど笑える箇所も二三。シーチキン, けにろん[投票(2)]
★4巨神兵 東京に現わる(2012/日)巨神兵が東京に現れるらしい。と小耳に挟んで私は半信半疑、噂の真偽を確かめるべくシアターに駆け込めば、なるほど巨神兵が東京に現れた。しかし仮に舞台を岐阜やケベックに置いても結局物語は同一の終着点に至るのではないか。それでも東京は破滅順の第一位を譲らない。これ東京中華思想の一端である。 [review]DSCH[投票(1)]
★5無法松の一生(1943/日)阪東妻三郎演じる富島松五郎の生涯を俯瞰したとき、たかだか中年時代からの後半生にも満たないはずのこの物語が『無法松の一生』などと題されるのは、彼にとって沢村アキヲ園井恵子との日々こそが「一生」だからだろう。車輪を軸に繰り広げられる「走馬灯」のイメージに嗚咽をこらえることはできない。 [review]けにろん, irodori, 煽尼采, ゑぎほか6 名[投票(6)]
★4彼岸花(1958/日)山本富士子浪花千栄子の文字通りの「トリックスター」ぶりが楽しい。 [review]緑雨, けにろん[投票(2)]
★4ボルベール 帰郷(2006/スペイン)とても贅沢な映画。 [review]ゑぎ, tarow, 緑雨, のこのこほか14 名[投票(14)]
★3まほろ駅前多田便利軒(2011/日)こういうフィルムの感触を尊重した画面の映画はいつまでも見ていられる。米軍基地の大空など、審美的に決めすぎたカットも厭味なく私の瞳を愉しませる。瑛太松田龍平の面構えもざらりとした異物感を張りつけて映画向きだが、「まほろ」の個性(あるいは没個性ぶり)には興が湧かない。町演出が丸腰だ。水那岐, chokobo[投票(2)]
★5硫黄島からの手紙(2006/米)「映画」が現実の再現の場に甘んじたことなどかつて一度たりともないのだから、確かに時代考証の面などにいくつかの「間違い」を含んでもいるこの映画に対しては、比類なき空間演出家イーストウッドが硫黄島という特異な空間を舞台にいつもどおり肩の力を抜いて仕上げた傑作にすぎないと云ってみせるのが適当だろう。 [review]G31, 煽尼采, ナム太郎, inaほか5 名[投票(5)]
★4殺人者たち(1964/米)回想で長々とジョン・カサヴェテスアンジー・ディッキンソンのメロドラマをやられてもなあ、とは思う。セット撮影中心の五〇年代とロケーション撮影中心の七〇年代の中間としての六〇年代らしくセット・シーンとロケーション・シーンが交錯するが、ルックの統一に腐心した形跡はなく、これにも違和感を覚える。 [review]ゑぎ[投票(1)]