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★3海辺のリア(2016/日)主演者と観客に対する因業な耐久試験のようだ。私は早々に落伍したが、仲代達矢の濃縮度は記録的である。とまれ、まずは反復ギャグの精度を高めてシーン間の協調を深めたい。コーディリア解釈(黒木華の造型)には挑戦があるが、この役どころに隆大介を当てた『』は地味に無茶であったと、ふと顧みる。ぽんしゅう[投票(1)]
★3光(2017/日)永瀬正敏の意気は凄まじく、水崎綾女も殊勝になる前は厄介で面白い。河瀬直美性と大衆性の均衡が随一の作であることも諒承する。しかし藤竜也が監督・主演する劇中劇の拵えが手抜きも甚だしく、これが一細部に過ぎないのなら堪忍もするが、どうも全篇でも重大な場面を担うらしいのだから呆れて失語する。けにろん[投票(1)]
★4大地の子守歌(1976/日)「行動の強さが一定の値を超えると、却ってその行動動機の詳細は問われずに済む」という映画の不思議を実演した増村流極端ヒロインの極北だろう。「お転婆/じゃじゃ馬」「田舎娘」といったヒロインの類型に過度の暴力性を注入することで、「薄幸」「忍従」的な物語の典型は破綻寸前に追い込まれている。 [review]ゑぎ, けにろん, 寒山拾得, ぽんしゅう[投票(4)]
★3セッション(2014/米)演奏技術の諸課題をBPMに限って語ることで、作劇は(間口の広い、だが単純な)太い一本道を確保する。併せて遅刻の挿話の反復が『セッション』の根源的感情とは「遅れること」の恐怖と不安であることを示す。それは(作中人物の心理観察が呆れに終わったとしても)私たちにとって本能的に馴染み深い。Orpheus, 緑雨, DSCH[投票(3)]
★3夜に生きる(2016/米)主演を兼ねる監督は作品の出来を問わず応援する所存だが、このベン・アフレックはどうにも身体の輪郭が不細工で表情も魯鈍だ。これを「格好つけても所詮は滑稽ギャング」と見るのが必ずしも裏読みにならない程度に知性的な演出家だとは思うけれども。聖性が過ぎて魔性に反転するエル・ファニングは好適。けにろん[投票(1)]
★3E.T.(1982/米)「家に帰ること」、そしてイーティの“HOME”の発音の拙さが、場違いにも私に『シャイアン』を想起させる。しかしより正確には「帰ること」ではなく「家に帰らせること」の映画だ。その点でこれは『プライベート・ライアン』を準備している。確かにスピルバーグは幼稚かもしれない。だが一貫している。 [review]寒山拾得[投票(1)]
★4目撃(1997/米)このような他愛もない題材を問答無用の傑作に仕上げてしまうのがイーストウッドじゃなかったのか、という多少の失望は覚えざるをえないものの、陰ながら娘を想うイーストウッドの様には不覚にも目頭を熱くしてしまった。 [review]ぽんしゅう, jollyjoker[投票(2)]
★4三姉妹〜雲南の子(2012/香港=仏)長女のハードボイルドな存在感(度重なる咳き込みが『幕末太陽傳フランキー堺のように物悲しいヒロイズムを裏打ちする)が風景の強度に拮抗する。妹たちの喚き、家畜の嘶き、原野に吹渡る風の音が鼓膜を挑発するが、予測不能の挙動で画面に驚きを提供する「動物」の映画としても指折りの豊かさを誇る。寒山拾得, disjunctive, ナム太郎[投票(3)]
★4赤い靴(1948/英)色覚の麻薬。カラー写真/映画を「総天然色」などと訳してウマいこと云ったった面していたのはいずこのどやつだ。こんな色彩の映画が創られるとは想像もしなかったのだろう。芸術の危険を描いて現実の枠組みを軽く跳び越えてしまった(それはダンスシーンのカッティングにも顕れるだろう)絶対危険映画。ぽんしゅう[投票(1)]
★3私は告白する(1953/米)変に真面目な物語には今ひとつノれないのだが、まるでフィルム・ノワールのような画面設計(特に夜の照明)は冴えまくっている。観客が抱く物語への個人的な好悪を軽く超越してしまうヒッチコックの演出力。動物園のクマ[投票(1)]
★4複製された男(2013/カナダ=スペイン)アイズ ワイド シャット』や『ロスト・ハイウェイ』のように逞しくハッタリが効いて愉快だが、これを映画たらしめているのは限られた手数(台詞・行動)で出来事と心理を強かに展開してゆく基礎演出力の確かさだ。ビルディング群に不安と不吉の影を見るカメラの視線もまた映画の情緒を色づけている。MSRkb, 緑雨[投票(2)]
★3同じ星の下、それぞれの夜(2012/日)三篇の差異にとって地理的な区分は本質的ではない。というのは、三篇は互いに舞台を交換しても(諸細部に修正を加える必要は当然あるにせよ)同様の物語を成立させることができるだろうからだ。むしろ「言語的コミュニケーションの成立度」の高低がそれぞれの物語におけるアイデンティティの核心を成す。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★3悪童日記(2013/独=ハンガリー)原作がほとんど文体の戦略でもって成り立ったような小説だけに、小説はいかに映画化されるべきかという昔ながらの問題が一入に顕在的だ。要するに、人物や風景が実在感を伴って表象されるのは映画の主要な武器だが、創意工夫もなしに小説『悪童日記』にそれを適用するのは果たして賢明の策だったろうか。 [review]disjunctive, 月魚, DSCH, ぽんしゅう[投票(4)]
★3リスボンに誘われて(2013/独=スイス=ポルトガル)物語の中心を占める「不在者」が説得性を欠いたまま祀り上げられる『永遠の0』と同種の構造が不誠実だ。ここで説得性とは、何よりもまず当該人物の被写体的魅力に依拠する。ジャック・ヒューストンのそれはジェレミー・アイアンズに大差で劣っている。後景を等閑視したアップカットを除いて撮影は上々。disjunctive[投票(1)]
★3アフター・アース(2013/米)物語の単純は毫も瑕疵ではない。『アフター・アース』の決定的なつまらなさはここに単純な感情しか存在しないことに起因する。肯定・否定・共感・拒絶・称賛・批難、あらゆる反応を同時に観客に惹起する複雑な映画感情を記してきたM・ナイト・シャマランにとっては『エアベンダー』以上に安易な仕事だ。 [review]プロキオン14, けにろん, MSRkb[投票(3)]
★3悪太郎(1963/日)端正。実に端正な画面だ。しかしクラシカルではない。モダーンである。そのモダーンぶりは「大正」の語が喚起する印象と確かに相通じている。あるいはこれ以降の作品に顕著ないかにも清順的な奇異で美しい画面群も「畸形的にモダーン」なものだと云えるかもしれない。モダーン清順。モダーン悪太郎。 [review]けにろん[投票(1)]
★5赤ちゃん教育(1938/米)このキャサリン・ヘプバーンは完全に頭がおかしいのだが、笑いすぎてこっちの頭もおかしくなりそうだ。世界一笑える映画。とんでもない前衛映画。ケイリー・グラントとヘプバーンの能力の高さをまざまざと見せつける映画。ホークスが史上最も聡明な監督であることを証明する映画。寒山拾得, 動物園のクマ, , shionoほか5 名[投票(5)]
★3上意討ち 拝領妻始末(1967/日)「論理的なるもの」(条理)と「非論理的なるもの」(不条理)との往還に振り回される形で作中人物の行動および物語は繰り広げられる。『切腹』同様その作劇術は見事だが、この映画の命と呼ぶにふさわしいのはむしろその画調だ。 [review]ナム太郎, けにろん[投票(2)]
★3青春残酷物語(1960/日)桑野みゆき川津祐介の在り方を支える作劇上の仕掛けとして久我美子渡辺文雄の「青春」を持ってくる律儀な歴史感覚が大島渚。それにしてもこのラストカットを思いついたときはさぞ嬉しかったろう。ガッツ・ポーズのひとつも飛び出したろう。あるいはこのラストカットありきで物語をでっちあげたか。 [review]寒山拾得[投票(1)]
★4ANNIE アニー(2014/米)原作ミュージカルおよびジョン・ヒューストン監督版の舞台からおよそ八〇年後に時代を移したことに伴う大小様々の改変が施された作だが、開巻早々からクヮヴェンジャネ・ウォレスがフランクリン・デラノ・ルーズヴェルト政権期に言及するなどは遺漏ない目配せで、演出家は強かに映画を走り出させている。 [review]水の都 ヴェネツィア, 水那岐, DSCH[投票(3)]