[コメント] 007 カジノ・ロワイヤル(2006/米=英=チェコ)
傑作『007 慰めの報酬』を見た後で本作の DVD を見直したら、細かいところまでよく考えて作られている大傑作であることがわかり、自分の先入観と見識のなさに恥じ入った。リアルでクールな本作は間違いなく007最高傑作。
封切り時鑑賞時の感想はこちら「露骨なvaioとcybershot。金目当ての小粒な悪役。オープニングアニメはトランプのマークやフラクタル図形の使い方が洗練されてなくてキューティーハニーのそれに劣る。ポーカーのルールがイマイチ理解できず不完全燃焼。でもゴージャスさに☆4サービス。」
実際長い間そう思っていた。Qも登場しないし、秘密道具も全然登場しないし、リアルな殺し合いに、小粒の悪党が登場する妙にこじんまりした世界だと。
しかし、この映画が終わった一時間後に再スタートする続編『007 慰めの報酬』を見て、そのあまりのおもしろさに度肝を抜かれた後で気づいたのだ。『カジノロワイヤル』は、新生007シリーズの幕開けを飾る序章だったのだという当たり前のことに気づいたのだ。
そう思い直して本作のDVDを何度も何度も見てみると、細かいところまであえて従来の枠組みを外して作り込まれた作品だと言うことがよくわかった。
『オースティン・パワーズ』で、さんざんその虚構性に気づかされていたはずなのに、どうしても旧来の007シリーズの枠組みを受け入れている自分がいて、本作を正当に評価できなかったのだ。映画をたくさん見ているのに、そんなこともわからず恥ずかしい限りだ。
衣装に音楽にセットにと、端から端までゴージャスに構築されたこの世界は、是非『慰めの報酬』とニコイチで楽しみたい。
助演者ではMとフィリックスを演じた役者は特に秀逸。
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