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[コメント] 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(2007/日)

登場人物全員の造形がすばらしく、事前の予想以上に楽しめた。
サイモン64

2010.6.3 TV放映を録画して鑑賞。

永瀬正敏がいかにも永瀬正敏的造形を演じていて楽しい。女優としての自分の才能の無さを棚にあげて周りを責める澄伽が、現実の佐藤江梨子の中途半端さとオーバーラップしているのも面白く、永作の演技も実に巧みだ。

コインロッカーベイビーで孤児院育ちの義理の姉であり、妙な人形を変な歌を歌いながら作っている永作のバックグラウンドには異常にそそられるものがあるのだが、この映画では完全にその辺はばっさり切り捨てているのが面白い。「描き忘れ」「描き損ね」ではなく、完全に放置しているのがいいと思う。

タイトルからしていかにも邦画っぽかったので、最初あまり期待せずに見始めたが、キャスティング、演出ともすばらしい。

ひどい目に遭ってるのに私小説的漫画を描くことを止められない妹の業の深さも良く、実名でやってる私小説系作家の家族って大変だなと、変な感心をしてしまった。

(評価:★4)

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