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[コメント] グリーンブック(2018/米)

どうと言うこともなく予想の範囲は超えない普通の話し。オチも途中から読めてしまう。と、最初は思ったんだけど後々思い返すと結構良くできた話だなと評価が高まってきた。
サイモン64

なんらか一石を投じて波紋を広げたいみたいな映画だと思って見に行ったら、「なんだかちょっといい話」に終始していたので肩すかしを食らってしまったのが最初に落胆した理由かもしれない。

映画会社の宣伝が良くなかったのかもしれないし、勝手に期待した自分が良くなかったのかもしれない。

みちゆきのなかで相互の理解が深まる過程は派手派手しさもなくじわーっと描かれるので、最初は地味に感じたんだけど、この上品さがこの映画のひとつの大きな特徴なんだろう。また、トニーが感じる怒りはあくまで「個人的な憤り」の域を出ず、それを一部始終見届けながらもどうしようもない(映画の中に介入できない)我々観客と最後まで立ち位置は変わらないままだ。

そのあたりに若干がっかりした部分はあるんだけど、その「怒り」を仮にひとつの映画の中でささっと暴力でもって快刀乱麻の解決をしたところで世界にはびこる差別や欺瞞は今もなお解決できないことを我々観客はよく知っているし、そんな一幕のすかっとした話を見たいとも思っていなかったことに気付いた。白人のウェイターをたたきのめしたところで数十年後に現れるおかしなアメリカ大統領はそのまま変わらず国境に壁を建築するだろう。

終盤パーティーの席で仲間に囲まれながらもひとり物思うトニーの瞳に宿っている寂寥感こそがこの映画のたどり着いた結末なのかなと思う。そういう意味で派手にわかりやすくはないけど何か大事なものを伝えてくれたような、そこにこの映画の魅力があるのかなとしばらく経ってから思った。

(評価:★4)

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