ほんと、ラストの海坊主には爆笑してしまいました。

ただ映画としては微妙。オープニングから「秘密」をご開帳したのは大失敗でしょう。

丁寧にわかりやすく映画を作るのはいいことだし、そのバランスをとるために控えめな演出にするのは賢いのかも知れない。

けどどう見ても作り話くさい展開ながら、「でも実話なんだよねコレ」と言えるのがこの作品の強味なはず。その武器を最大限に生かせるのは徹頭徹尾「作りものくさい」演出じゃないの？いかにも映画らしい強奪計画に成功したところで大袈裟に秘密が明かされて、観客も主人公たちと一緒に「なんてこったい！マジかよこれ!!」となってこそこの題材で娯楽をやる意味があるんじゃないだろうか。

さらに最初から丁寧に経緯を描いたせいで前半の彼らが政府に守られてる安心感があるのも良くない。早く本題に移らないかなあ、とか退屈にも感じる。

後半にしても、政府側に非道な描写があるでもないので駆け引きをする際の緊迫感が薄い。写真の持ち主も遠い国でボンヤリしてるし、実質的には四つ巴の大混戦のはずが主人公は悪徳ポアロさんだけ相手に勝負してるようで物足りなさが残った。丁寧に控えめに、な語り口が完璧に足を引っ張ってる。

でもまあそもそも残虐政府と戦う強盗チームとか、そういう下品な内容ばかり期待している俺が間違ってるのかも知れないですけど…