[コメント] アキレスと亀(2008/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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公開当時、夢の袋小路に迷い込んでいた自分は予告編を観て、勝手に「夢を追い続けた画家の末路」の話だと思い込み、正直観るのが怖かった。
…が、今になって観てみると拍子抜けしてしまった。数年経って考え方が変わったというのもあるが、何のことはない。この映画はコメディだったのだ。それも、かなりシュールな。
真知寿が絵を描くのが“好き”なのは分かるが、芸術なんて域には全く達していないし、そもそも何がやりたいのか分からない。大森南朋演じる画商の言うことを“言葉のまま”実行するだけで、独自性の欠片もない。
奇をてらえばユニークかと言えばそんなことはないし、単純に人と違うことをすればいいってもんでもない。最初は模倣から始まっても、徐々に自分の得意なことや表現したいものを作品に載せていくことで、初めて個性が出てくると自分は思う。
それでも売れないことが多々あるのが世の中なのに、真知寿の絵が売れないのは当たり前である。むしろ、よくあれで生活できていたなぁ・・・いや、出来ているとは言えないか。樋口可南子演じる妻も大変だな、と最初は思っていたものの、だんだん夫婦そろって頭のネジが飛んできてしまって、後半はもうギャグにしか見えなくて笑ってしまった。
…というよりも、途中から「ああ、これは喜劇なんだ」と気づいたら面白い作品になっていた。教訓めいたことは微塵も感じられなかったが、最後のシーンでは妙に清々しい気分になっていたので★4つ。本当は★3.5くらいだけど。
余談)ただ描きかけだったとは言え、シロサイのポスターはなかなか良いと思ったので、まだデザイナーとかなら日の目を見ることもあったかも知れない。偶然の産物とは言え。
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