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[コメント] 月に囚われた男(2009/英)

つくづく情ってのぁ不思議だね。
炭酸飲料

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







中身も記憶もまったく同じ「自分」と情が芽生える。

その一方で、まったく同じ「自分」を利用して、殺そうともする。

その差は「交流したか、してないか」でしかない。

また、すべてを知っているガーティは、 生産・消費を何度も繰り返している何人ものサムのうちの、 たった一人(二人か)のためにリスクを承知で真相を開示した。

機械の彼が。

クローン同士が?

人間ではない機械が?

AIのしくみがなにやら、人間の本能が云々・・・

なんてことを考える(前にサジ投げちゃう)けど、 もっと単純な話なんでしょうな。

月で一人でさびしいんだもの。 話相手がいれば、嬉しいし、情もわく。 交流があった時点で、クローンその1、その2だけの存在じゃすまないわな。

ガーディから見てもそうだったに違いない。

と、書いてみればいたって普通で簡単なことなんですけども。

「普通で簡単なこと」をしみじみと味わえる映画でした。

ラストはちょっと強引な感じがしないでもないですが、 閉鎖感と切なさを一緒に体験してきた観客へのささやかご褒美って思うと、 丁寧で良心的な作品なんじゃないでしょうかね。

格調と難易度の高い「2001年宇宙の旅」とかの類に対して、 等身大な気持ちで、自分なりの深さで見れるSFだと思う。

美味しゅうございました。

(評価:★4)

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