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赤い戦車さんのコメント: 更新順

★4愛を綴る女(2016/仏=ベルギー)成瀬を現代映画に継承せんとする者がここにも一人。仏映画界はどこまで人材が豊富なのだろうか。前半は「窃視の視点」を主とした視線の演出に見惚れるし、後半の捻じれた構成(幽霊!)も一筋縄ではいかず、中々見応えがある。要所で登場する水の主題も、映画の強度を高めており、ラストシーンの高揚感も良い。暗転の切れ味が実にかっこいい。[投票]
★4今日、恋をはじめます(2012/日)会話の捌き方が職人的。武井咲の魅力も画面に引き出せている。遊園地のデートの際、武井咲がふと足を気にする仕草を見せ、それに対して松坂桃李が視線を下に下げ、また元に戻す。何気ないショットの中で一瞬だけ違和感のある動作が出てくるが、それが後に伏線であったことが判明するさりげなさ。同監督では『ルームメイト』を推すが、こちらも悪くない出来と思う。3.5[投票]
★4グレイテスト・ショーマン(2017/米)大いに楽しむ。冒頭のThe Greatest Showの終わりにショーウィンドウの向こう側の衣服と窓に映った少年のショット、続いて少年が視線を下に移すバスト、そして穴だらけの靴。これだけで状況を把握させるオープニングに期待感が大きく増す。 [review][投票(4)]
★4暁の7人(1975/米)ギルバートの演出は大したものとは思えぬが、ドカエの撮影は大したもので昼間・夜間・室内・屋外、どの画も悉く見応えがある。包囲陣下の絶望的な銃撃戦(「あさま山荘」的な放水!)も水準以上の出来。敗北を覚った最後の生き残りと地下室に差し込む陽光の美しさ。やはりレジスタンス・暗殺映画の華はこれだと。[投票]
★3恐怖の館(1972/米)何らかの形で画面に「赤」が連鎖する(前景にランプシェードを置いた画などやりすぎ)のと、TV的な接写が連続する中唯一クレーンで撮られたカットなどが印象に残る。この題材ならジグモンドとのタッグで観たかったという気もする。幽霊演出が赤い光。光が怖いという感覚をこの時点でスピルバーグは既に持っている。[投票]
★4ジャッジ 裁かれる判事(2014/米)デュヴァル、ダウニーJr、ドノフリオ、ソーントン。これだけ良い顔を集めれば、あとは彼らの演技をしっかりした構図で捉え、着実に繋いでいけば映画はそれだけで十分。普通のアメリカ映画の力強さを堪能する。カミンスキーの撮影もスピルバーグ作品以外だとやけに新鮮に映る。[投票]
★4レインメーカー(1997/米)停滞しがちな裁判シーンに細部の動きを色々と付けることで躍動感を生み出す手腕が見事。 [review][投票]
★4女神の見えざる手(2016/仏=米)素晴らしい。会話において人が立つ/座る/机を迂回する/振り返る/背を向ける、といった動作をしっかり取り入れ退屈させない。オフィスの机やビリヤード台を挟んだ会話の面白さはどうだ。会話主体の難しい題材を見事に映画に仕上げていると思う。 [review][投票(3)]
★4心霊写真(2004/タイ)怖い。本来映るはずのないもの、或いは映ってはいけないものが事実として写真に映り込み、予期せず目にしてしまう。『女優霊』のように、その構造が観客と映画との関係にも重なってくる、根源的かつ不愉快な危うさ。細かいカット割、回想のつまらなさなど不満点もあるが、一見の価値はある。[投票]
★4バタリアン(1985/米)走るゾンビを扱いながらも、「走る」「不死身」等のゾンビの特性をスラップスティック的な喜劇性のある運動として演出し、一応の成功を収めている。走るゾンビを恐怖の対象として演出せんとする失敗作が累々と積み重なっている現状を考えると、本作のような「笑い」に逃げるのも一つの選択としては有りだろう。[投票(1)]
★4死霊館 エンフィールド事件(2016/カナダ=米)前作からの上映時間の長大化に警戒しつつ観たが、豊富なアイデア量で見せきる。絵画、犬、影といった恐怖演出の見事さ。胡散臭いと思わせて実は最も誠実なサイモン・マクバーニーのキャラクター造型。前半、同一ショット内で時空間を移動させる視点の移動が目立つ。撮影はゼメキス組のドン・バージェス。そのための招聘だろうか。 [review][投票]
★3散歩する侵略者(2017/日)長谷川博己視点でのみ構成された爆撃機のシークエンスには往年の輝きが一瞬だけ戻ってきている。たとえ『回路』や『MI3』からの引用であろうとも、説明なしに爆撃機が建物を越えて飛来してくる「唐突さ」こそが感動的だ。その直後の機体が反転する際の禍々しさにも畏怖を覚える。[投票]
★5ファウスト(1926/独)煙と風と光の陰翳の強烈な表現が2時間ずっと続くのだから大したものだ。グレートヒェンの昇天するショットの、原始的なパワフルさと凄まじい興奮。ムルナウのドイツ時代では本作を最も好む。[投票]
★3昔々、アナトリアで(2011/トルコ=ボスニア・ヘルツェゴビナ)死体遺棄事件の実地検証という体裁をとったロードムービーであるうちは傑作(特に立ち寄った村で村長の娘が飲み物を分け与える場面)なのだが死体回収後、終らせ所を見失ってる感が半端ない。死体はマクガフィンでいいじゃないか。オフスクリーンの活用法も良いだけに勿体無い映画。 [review][投票]
★3新感染 ファイナル・エクスプレス(2016/韓国)既視感のあるネタを繋ぎ合わせただけで特に新味はない。扉による境界線の表現、可視/不可視の演出が最後まで一貫されてるので一応観られる出来ではあるが、不必要なところでスローになったりするテンポの悪さが致命的。悪役の最期もあれしきではあまりに温すぎる。[投票]
★4パターソン(2016/米)日常の反復から細部の差異を抜き出してくる視点は、作中引用される「詩」を書く際の視点とも共通している。当たり前のように思える日常の繰り返しを、別の視点から新しく捉え直し、見方によってはこんな魅力もあるのだと提示する。歌が2シーンも入るのは嬉しい驚き。[投票(1)]
★4007/ユア・アイズ・オンリー(1981/英)これは悪くない。ちょっとした小道具の見せ方から乗り物・場所の豊富さまで、アクションにユーモアとアイデアが詰まっている。スキー板の長さの違いで敵に発見されたことを示すショットや、コーヒーを持ってきた職員とその後ろの暗い室内を映し、さりげなく時間経過を覚らせる手腕。こういう明快な活劇を月一程度でいいから観たいのだが。[投票(1)]
★4極道の妻たち 地獄の道づれ(2001/日)これは悪くない。冒頭の浜辺での謀殺など良い意味でリアリティから解き放たれ、面白さを優先している作り。高島礼子の指詰めシーンでのキャラの一貫ぶりや、ラストのホテルでのセットと実際のロケ撮影との繋げ方。こういうのが演出家の仕事と言えるのではないか。高島礼子版の「極妻」では本作と『情炎』を推す。[投票]
★4ナイト・オブ・ザ・コメット(1984/米)文明崩壊後の世界をここまで楽天的に描いている映画を他に知らない。無用な説明など省き、少女たちに漂う無敵感の表出に努めること。それこそが本作の美点だ。デパートでの“遊び”に興じる姿の素晴らしさ。さりげない光への意識の高さもあり、終盤のアジト内での逆光気味のショットの多さにそれが窺える。[投票(1)]
★5ガートルード(1964/デンマーク)視線、人物の出入り、照明、立つ/座ることへの演出。お手本のようなカッティング、切り返し。煙草の煙、炎、水面の揺らめき。演出によって画面に漂う物凄い緊張感。演劇を装いつつ、演劇とは全く違う「映画」としか言いようのない感覚が全編に充満する。何度観ても驚く。[投票(1)]