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赤い戦車さんのコメント: 更新順

★4ストーン/クリミアの亡霊(1992/露)水墨画のようにくすんだモノクローム世界に佇むチェーホフの亡霊。サイレント期を思わせる画面とカッティングの迫力。ソクーロフは自ら失敗作だと認めていたが、同じロシアが生んだ知の巨人ヤンポリスキーは、本作に作家を読み解く重要な鍵がある、と語っている。[投票]
★4ホワイトハンター ブラックハート(1990/米)shoot the elephantとshoot the filmのシャレから思いついたんじゃないかと勘繰ってしまうほど変な映画。しかしイーストウッドの特質がよく表れており、フィルモグラフィ上の重要度は高い。陸海空の乗り物を制覇しているのも良い。[投票]
★4フッテージ(2012/米)捻ったところの無い、直球ホラーとしては久々の傑作。 [review][投票]
★3セカンド・サークル(1990/露)光の扱いに関しては超一流の腕前。やってることは私の理解を超えて意味不明。なぜそのカットをそのアングルで撮るのか、なぜその行為を執拗に撮り続けるのか、頭に?が浮かぶばかりであった。「棺桶」「死体」への執着はこの作家らしい。[投票]
★4マン・ハント(1941/米)ラングの凄みはむしろロンドンに着いてからの充実ぶりにある。ジョーン・ベネットとのロマンスコメディ的な部分と、追っ手が迫るパートの緊張感。この不協和な面白さが突如恐怖と絶望に変わるラストは筆舌に尽くしがたい。また、主人公に危機が近づくと決まって「円」「球形」のモチーフが出てくるところもラング的。[投票]
★3スペースバンパイア(1985/英)フーパーの推進力・爆発力は決して侮れない。本作でも次から次へと破天荒なアイデアを持ち出してきて飽きさせないし、ラストは映画の中で一番の盛り上がりどころとして、きちんと力のある画面に仕上げている。ただし、あくまでも商業的な作りであって、この監督特有の狂気を存分に味わえるとは言いがたい。[投票]
★4シェルブールの雨傘(1964/仏)原色を巧みに使った60年代らしい色彩感覚の極致。美術と照明の達成度も素晴らしい。『プレイタイム』にも通じる平等さ。[投票]
★4マンディンゴ(1975/米)感情移入させないクールな筆致が実にフライシャーらしい1作。室内画面の照明はまるでイーストウッド作品のような暗さ。[投票(1)]
★3中国女(1967/仏)3.5点。今となっては風化した思想だが、画面はどのカットも光量に細心の注意を払って撮影されている。実に美しい。ただし、後期ゴダールほど先鋭化しているわけでもないので結局中途半端な印象が残る。[投票]
★4地獄の警備員(1992/日)画面造型はここでも見事なものだ。的確な美術と照明が、単なる雑居ビルを非日常的な空間へと変貌せしめている。フーパーから遠くターナーに至るまで、参照項は無数にある。[投票]
★4銃殺(1964/英)元が舞台劇なだけあって地味な作品だが十分面白い。黒澤明羅生門』に影響されたと思しき雨が降り続く中、ロージーらしいきめ細かな照明と画面内に的確に配置された鏡、ランプ、煙、大砲の音等の要素が、効果的な長回しと共に用いられ、目の離せない緊張感を生む。ダーク・ボガードは本作でも素晴らしい演技。[投票]
★4孤独な天使たち(2012/伊)近作はあまり良い出来ではなかったのでどうかなと思いつつ鑑賞したが、ベルトルッチ老いてなお健在なり。瑞々しい役者2人の芝居一挙一動を、この監督らしい自由なカメラワーク、深みのある豊かな照明、稚気溢れる演出が全面的にサポートする。そしてラストカットはまるでトリュフォーじゃないか、改めて惚れ直しましたよ。『シャンドライの恋』を超え、『ラストエンペラー』以来の傑作。[投票]
★4愛のそよ風(1973/米)海、高所からの風景、ロー・キー、過去に囚われる人間たち。やはり本作でも一貫した主題が取り上げられている。実に大人な映画。[投票]
★4探偵事務所23 くたばれ悪党ども(1963/日)野獣の青春』と合わせて観るべき。ハードボイルドと清順演出は意外と相性が良い。[投票]
★2ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜(2012/米)カメラ揺れすぎ寄りすぎカット細かすぎで私の美的感覚とは正反対。トニスコみたく被写体を的確に捉えてるわけでもない。アクションさえまともに捉えようとしないのは一体どういうことなのだろう。突然海を泳ぎ始めたり、少女が振り向いた瞬間草原を進むカットに飛ぶなど、荒々しい省略は悪くない。コンロが爆発する1ショットと、火葬にする場面のみ良かった。[投票]
★3藁の楯(2013/日)端的に言えば照明が悪い。序盤、警察の上司が警護4人に訓示する場面、これが露光不足に思えて仕方がない。なぜなら上司の顔が全く見えないからだ。また、説明台詞が鬱陶しいというお決まりの文句を本作でもやはり繰り返さなければならない。遠くから車の音が聞こえてきて「車だ。どうする。」ってのはダメでしょう。そういうのは極力行動で示してほしい。 [review][投票(2)]
★4L.A. ギャング ストーリー(2013/米)車や夜の濡れた路面にとても良い光沢がのっている。まず照明の見事さを褒めたい。銃撃戦や人物描写にはマイケル・マンの影響もあるだろうか(撮影はディオン・ビーブ)。細かいカット割りだがきちんとアクション繋ぎになっているし、たまに長いショットが混じるのも良い。クリスマスツリーの飾りが吹き飛ぶ様や突然ボクシングをし始めるのも面白い。こういったケレンを何の臆面も無くやってのけるのがアメリカ映画の強み。[投票]
★1水霊 ミズチ(2006/日)「あのうだるような暑い日・・・」だの鬱陶しいナレーションに心を打ち砕かれ、老人ホームでの無意味なカット割りに絶望し、井川遥への照明の無頓着ぶりに激怒する。序盤10分でこの映画は駄目だと分かる。[投票]
★3容疑者Xの献身(2008/日)ミステリーではなくサスペンスを志向する西谷弘の選択は映画的に正しく、したたかだ。犯行がばれるかばれないかという緊張の維持。序盤での簡潔な人物描写も全く見事。しかし後半は物語の展開説明に舵を絡め取られたか。[投票]
★3魚影の群れ(1983/日)初期相米の中では比較的落ち着いた映画だが、その分パワーには欠ける。『ションベン・ライダー』のように破綻を恐れぬ豪胆ぶりこそが映画の未来を切り開く。[投票]