赤い戦車さんのコメント: 投票数順
脱出(1972/米) | 後半、崖登りする辺りから制作側の作為が鼻につく。教会の鐘も自然との対比も何かあざとい。 | [投票(1)] | |
革命前夜(1964/伊) | 激しいズームイン・アウト、パートカラー、ジャンプカットなどヌーヴェルヴァーグを気取った遊びが正直鬱陶しい。二流のゴダールなんざよりも、例えばダンスの流れるようなカメラワークやオペラハウスの緊張感といった、一流のベルトルッチこそを観たいのだ。 | [投票(1)] | |
激怒(1936/米) | フリッツ・ラングお得意の「私刑」と「復讐」の物語。襲撃してくる暴徒の連続アップはクレショフ効果や『戦艦ポチョムキン』からの影響を感じさせる。面白いがラストはやはり甘すぎるか。 | [投票(1)] | |
終身犯(1962/米) | 小鳥の孵化を(ジャンプカットや早回しを含めるとはいえ)1カットで見せること。廊下の奥から手前までの移動や会話シーン、手先の運動をなるべく1カットで捉えること。この「1カットで捉える」ということが最も重要なのだ。1カットのアクションが持続を生み、持続こそが感動を生みだす。この年代の職人監督たちはその重要性を教えてくれる。 | [投票(1)] | |
ザ・キープ(1983/米) | こりゃすんごい珍作。出来はそんな悪くない、きちんと持続しているのだが・・・色んな意味で絶句。メロドラマに西部劇、それにホラー・ファンタジー要素も取り込んでおり、更にその上笑っちまうぐらいヘボい視覚効果が目くらましになって、わけのわからない怪作に仕上がっている。 [review] | [投票(1)] | |
リンカーン(2012/米) | 血みどろの南北戦争を描いた作品かと思いきや、意外にも『アミスタッド』系であった。説明的アップが目に付き、『戦火の馬』『宇宙戦争』のようなロングの冴えにも欠けるが、要所要所はきっちり面白く仕上げてくるのは流石。しかしこんな撮り方でいいのか? [review] | [投票(1)] | |
パリの灯は遠く(1976/仏=伊) | 傑作。パンフォーカスで情報量の多い長回しが連続し、凄絶な緊張感を画面内に生む。人物を追って廊下・ドア・曲がり角を通り抜けるカメラワークはまるで霊魂が彷徨うかのようだ。鏡や影を使い、もう一人の分身を暗示する手法も見事。ジョセフ・ロージーは他の作品も観ていかねばと思わせられた。映画は奥が深い・・・ | [投票(1)] | |
テナント 恐怖を借りた男(1976/仏) | 『反撥』に『裏窓』的要素を加えて異邦人の孤独を描く120分。この監督はこうした神経質な人間を題材にするとやっぱり巧いね。撮影ニクヴィストで最も美しい頃のイザベル・アジャーニが出てるのに何でDVD化されないんだろう?テーマ曲も良い。 | [投票(1)] | |
コズモポリス(2012/カナダ=仏=ポルトガル=伊) | 原作既読。リムジンを舞台にし、様々な人々と出会うという点で奇しくも同時期公開の『ホーリー・モーターズ』と好対照。ほとんど切返しを用いないカラックスに対して、こちらはガンガン切返すが、車窓や背景、人物のアクションなどで何かしら動きをつけているため、十分に緊張感を維持できている。キアロスタミも参照しているだろうか。後から思えば『危険なメソッド』はまるで本作の予行演習のようだ。 | [投票(1)] | |
ぼんち(1960/日) | 豪華な女優陣にどうしても目が行ってしまうが、それを一手に引き受ける市川雷蔵も相当なもんだ。しかも老け役まで同時にこなしてしまうのだから。市川崑の演出ってハマるとこんなにカッコいいんですね。外した作品ばかり観てたから驚きだった。 | [投票(1)] | |
アミスタッド(1997/米) | 序盤の鬼畜描写などを観るとスピルバーグは黒人たちによる海洋アクションを撮りたかったのではと思えてくる。しかし彼の立ち位置でそんなタランティーノのような真似ができるはずもなく、現実に絡め捕られてあえなく撃沈とあいなった。 | [投票(1)] | |
時代屋の女房(1983/日) | むちゃくちゃ面白い。感動的なまでに映画の画面、映画の編集。森崎東とは一体何者なのだろう。アルドリッチのようにアクションを繋ぎ、相米慎二のように時空を吹っ飛ばす。 [review] | [投票(1)] | |
レインディア・ゲーム(2000/米) | 冒頭刑務所シーンの余りの胡散臭さにフランケンハイマー老いたか・・・と思ったが、終わってみれば計算のうちだったということかね。中盤モーテルでの部屋脱出シーケンスが傑作。 [review] | [投票(1)] | |
ピストルオペラ(2001/日) | カッティングにおいて時空間も遠近法も無視し、出鱈目とも自由とも判別のつかぬギリギリの線を突っ走る鈴木清順はもはや映画史において唯一無二の存在になったといえる。これが正しいのか誤りなのかは分からぬが、アクションシーンの濃密さはさすがに素晴らしい。日活時代のように90分程度に収めていれば傑作だったろう。 [review] | [投票(1)] | |
さらば愛しき大地(1982/日) | 欠けた月は蝕まれてゆく精神の象徴か。何気ない風の戦ぎが観客の胸をざわつかす。柳町光男にはもう一本でいいから映画を撮ってほしい。 | [投票(1)] | |
天国の口、終りの楽園。(2001/米=メキシコ) | 一行と共に「太陽」、もしくはその光が映っているショットが数多いが、マリベル・ベルドゥーとの別れ以降は全く映っていない。つまりそういうことなのだろう。全体にヌーヴェルヴァーグの影響が色濃いが、メキシコの解放感とエマニュエル・ルベツキーの名撮影が独自性を寄与している。 [review] | [投票(1)] | |
ゲゲゲの女房(2010/日) | 一見、何ら変哲のないよくある日本映画のように思われるが、このたむらまさきの撮影と照明は事件といっても差支えない程に異様だ。また、オフスクリーンで氾濫する水流や時計の刻みといった自然・人工音の群れは本作が紛れもない「映画作家」の映画であることを示している。 | [投票(1)] | |
ジャガーノート(1974/英) | テンポは鈍重、画面も凡庸ではあるがそれなりに持続していて結構面白く観れてしまう。というのは実物の豪華客船が醸し出す迫力があるからなのだが、しかしこれをシーゲルやアルドリッチ、もしくはフランケンハイマーが演出していれば・・・などと一旦考え出すと楽しめなくなってしまう。 | [投票(1)] | |
ルーキー(1990/米) | 荒唐無稽なアクションの数々にチャーリー・シーンが耐えることで、観客にイーストウッドの「継承」を納得させる。それにしてもロー・キーを好むのは処女作から一貫しているので今さら言及することでもないのだが、しかし本作の暗さは際立っている。特に冒頭は誰が何をしているのかよく分からないギリギリの線。 | [投票(1)] | |
キャビン(2011/米) | ホラー好きとしては「驚く」というより「喜ぶ」展開だと思います。ホラー映画の巧みなパスティーシュであり、最後まで息切れせずに走りきる爽快作。日本版予告は観ないように。大して面白いとも思わん演出だが、子供の頃夢想した情景が眼前に広がり感動したので大甘で4点。 | [投票(1)] |