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[コメント] ゼロ・グラビティ(2013/米)

褒めたい部分もあるのだが、現段階では私は否定派に回りたいと思う。私が最初に疑問に思ったのは全170〜180ショット中第2ショットにおける客観→主観→客観という視点移動であり、これはゑぎさんの仰るとおり美しくない。主観と客観を同時に一画面内で表すか、或いはカットを分けた方がスマートだろう。これを含めブロックのミタメショットはどれもゲーム的に過ぎる。
赤い戦車

それにしても、この説明台詞の多さは看過できないであろう。台詞なしで成立する場面がどれぐらいあっただろうか。更に、音楽も騒々しい。無論映画なのだからリアリティなど追求しなくても良いが、宇宙遊泳のシーンは純粋に交信音(ちなみに「交信」は全編を通して描かれ、他のフォロワーの方が言及しておられる「誕生」の寓意と共に、もう一つの主題といえる)や電子ノイズ、呼吸音だけで固めた方がより緊張感が高まったであろう。

また、3D映像の問題点として、背景がハリボテのように見えてしまうのだが、それは本作でも解消されていなかった。前景後景の奥行きを出すためか、ところどころ浮遊物を人物とは別の場所に漂わせたりしているのだが、これがうまくいってない。更に感じたのは、3Dでは「浮遊」は描けるにしても「落下」を描くには向いていないのではないか?

なんだかんだ言いつつもB級SFとしては結構楽しめたのであるが。このご時世に90分のパニック映画を撮ったことは評価できる。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)disjunctive[*] ゑぎ[*]

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