[コメント] ラストミッション(2014/米)
脚本のリュック・べッソンがバカなら監督のマックGも大バカだ。バカの2乗で侮りがたい荒唐無稽な笑い(特にアンバー・ハードは素晴らしい仕事っぷり)が映画に備わっているのは否定しない。が、それでも不必要にカット数が多いのでは?という疑念は消えない。
アクション場面でもそれは顕著に表れているが、一番問題に思うのは父娘が自転車の練習をしたり、部屋でダンスの練習をしたりするシーンで、ここは観客と登場人物が幸福な時間を共有(断じて「共感」などではない)しなければならないはずだが、妙に細かく寸断されたカット群が幸福感を拒む。
これが何か演出意図に基づくものであればよい。例えば都合のよいタイミングで何度も気を失っていくケヴィン・コスナーと絡めて、空間・時間的な断絶を通低させようという意図があるならば、手法への肯定はできずとも納得はする。しかし、本編全体を通して観たとき、マックGがそのような高次元の演出まで考えているとはとても思えなかった。カットの寸断による幸福感の拒否は高畑勲の『かぐや姫の物語』ほどのレベルでなければ。
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