[コメント] ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015/米)
冒頭の飛行機スタントが一番つまらん。目玉のショットも、あの見せ方では合成と変わりがない。あのショットの目的は「地上からの距離の増大によるスケール感・落下のサスペンス醸成」にあるが、あのカメラ位置ならばショットをより長くし、地上に何か移動物か大きい物を配置して画面手前のクルーズと対比できるようにしておかなければ。落下のサスペンスならクルーズが機内に吸い込まれるショットの方が余程マシ。
クルーズが生身の肉体を駆使してパイプを登ったり柱にしがみついたりするのでそれなりに観られる代物にはなるが、どうにも撮り方が鈍臭く、もっと1ショットで一気にその場の状況を把握できるような、聡明な画が欲しい。レベッカ・ファーガソンがクルーズに手錠の鍵を見せるフルショットなどいかにもダサい。
また、サイモン・ペグが「俺は残る!」とトム・クルーズに言う場面などあまりに道徳的。何故言語で済ませてしまうのか。何故クルーズはすんなり頷いてしまうのか。例えば、「もう帰る!」と言ってペグが去った後に、クルーズが刺客に襲われ、ピンチになった瞬間なぜかペグが戻ってきて後ろから刺客を倒す。「仕方がない、手伝ってやるよ」と、反言語≒反道徳的になるように1クッション挟まないと。
現実世界において道徳的な言動は、映画においては観客の反感を買いやすい傾向にある。道徳的な言動には理由がつきまとう。対して反道徳的な行動には殆ど理由がいらない。この差であろう。
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