[コメント] モンパルナスの灯(1958/仏)
この監督の中では少し弱い。美術教室や河辺でのエーメとの視線劇など、繊細な視線の映画に仕上がってはいるのだが、個人的にはこの監督特有の「速度」(それは端的にフレームや扉を通り過ぎる人物、平手打ちなどで表される)が不足しているように思う。ヴァンチュラが絵を回収していくその無駄のない身のこなし、こういうのがもっと欲しい。マトラの移動撮影も華麗すぎてカメラの存在を意識させ没頭を時折阻害する。
(赤い戦車)
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