[コメント] ナイルの娘(1987/台湾)
小品ながらシャオシエンならではの決定的な豊かさがやはりある。もう冒頭のヤン・リンの足元に猫が佇むカットの時点で、ああ「映画」を観ている、と笑みがこぼれてしまう。さりげない縦構図、さりげない画面の奥行、さりげない人物の動き。少々風景のショットが多く他の作品に比べるとそこが弱いとも思うが、この監督の視点の置き方は映画を信じるものにとって抗いようのない魅力を湛えている。
(赤い戦車)
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