原作は刑事・検事・新聞記者・弁護士・裁判官・刑務官という順にスポットを当てた6章立て。映画では最後の刑務官の章が丸ごとカットされていたが、それでもボリュームがあり過ぎたのだろう。時間不足を補うためのセリフがいちいち説明臭く、観ていて居た堪れなかった。

しかもカットされたその最終章は「半落ち」の謎が明らかとなる重要な部分。ここがごっそり抜け落ちているのだから、空白の2日間を黙秘する動機が何とも浅い描写になるのは当然。削るなら裁判官の章にすべきであった。そうすれば、別の意味で痛い吉岡秀隆の演技を見ずに済んだのに。

豪華キャストは見応えあったが、原作とはかけ離れた出来に星2つ。