[コメント] パフューム ある人殺しの物語(2006/独=仏=スペイン)
「不思議なベストセラー」と呼ばれる原作「香水 ある人殺しの物語」。
「映像化が不可能」と言われたゆえんは映画を観れば分かりましょう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
物語は大部分がユーモアと皮肉を交えた語りによりすすんでいく。 これは映像が文章に敵わないと製作者自らが降参した証ともとれる。
主人公グルヌイユが言葉よりも何よりも、匂いでしか世界を捉えていないからだ。 捉えたと思えばたちどころに消える、「匂い」がこの物語の言葉だから。
もともと見せ場はたくさんある物語で、映画も2時間を優に超える。 しかし 何一つ匂いの無い山で7年を過ごし、自分の匂いの無さに気づいた時の彼の絶望、 また、そのことから様々な「自分の匂い」を作り出し、 生活に取り入れていく場面は入れて欲しかった。
映像化したエピソードだけでは「特殊能力を持つ変態殺人鬼の物語」 の域を出ない。 それほどに、原作は匂いのように果てなく漂うものなのだ。
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