[コメント] ハリーの災難(1956/米)
50年代ヒッチ黄金期にもかかわらず弛緩したコメディ作品だが、ヒッチ印が垣間見えるサスペンスムードは作家の証となってSO-SO
ありえないシチュエーションで楽しむはずのブラックコメディだが、その設定にもかかわらずあまりドタバタ感もなく、勢いがない凡庸なる作品である。自ら状況説明してしまうセリフなど、ヒッチコックの気の抜けた部分が露呈している。森の中と邸宅シーンと、セット数の少なさも作品の弱さを浮き彫りにしている。唯一の救いは、シャーリー・マクレーンが本作でデビューしたという点につきる。あのファニー・フェイスの輝きはデビュー作にして誕生、だが決してヒッチの手腕によるものではない。ちょっとした息抜きのフィルモグラフィという程度であった。
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