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[コメント] ダーティハリー4(1983/米)

自らのドラマツルギーに溺れているSO-SOムービー
junojuna

 ソンドラ・ロックの起用がイーストウッド映画に悪影響を及ぼしている事実が如実に現われている凡庸なる作品である。イーストウッドはロックに脅迫されていたのではないかと思われるほどのこの時期の作品の鈍重さは一体何なのであろうか。イーストウッドの美学はあくまで男の美学であり、そもそもその美学の郷土は男の肉体観念から成り立っているものである。そうした図式を女の肉体に置き換えて、もうひとりのイーストウッドを語るにはやはり無理があるというものだ。人物に与えられるドラマを通して表象される美学は役者根性だけでは到達し得ないのである。美学を体現する器に足りないロックのあがきは見るに耐えず、この頃のお手盛り作品群はイーストウッド冬の時代であったと言える。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)緑雨[*] けにろん[*]

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