テンポよく楽しく観られる映画。

馬締君のキャラクターだけでなく、脇を固める役者陣も素晴らしく（特にオダギリジョー! ああいう軽薄で人情深い役はオダギリジョーかユースケサンタマリアに限るね）、満足感のある仕上がりだった。 ただし宮崎あおい演じる香具矢が酷い。 いつも悶々とした表情のままで、ぎこちなく、不満とか心配とか嫉妬とかいう感情の演技がざっくり一緒になっているような感じで「え?」となる瞬間が少なくなかった。宮崎あおいが演じる役というのは必ずといって良いほどに、いつも全てを受け入れる寛容な女性ばかり。全てを悟っていて、菩薩のような、そういう何もかも分かってますよという表情や姿勢が毎度のことなのである。宮崎あおいの演技だけが妙に目立ってしまい鼻につくし、せっかく良い気分で見ていたものに翳りが生じる。今回の役ならば、もう少しソフトで明るい女性が良かった。

自分の勝手なイメージとしては、本上まなみなど。