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[コメント] メッセージ(2016/米)

秩序をもたらす贈り物は、彼女の深い悲しみを超えて人類の希望に繋がる
pinkmoon

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







オープニングに流れるマックス・リッチャーの曲に、映し出されるルイーズとハンナの様子がこの映画を運命付ける。テレンス・マリックのような映像だ。この曲『シャッター・アイランド』のエンディングでも印象深かったのを瞬時に思い出した。正直、内容は良く理解できなかったので2回鑑賞。難解な映画ではなく、複雑な話を不親切に見せているのだ。

(以下、ネタバレと言うよりは勝手な解釈)

「武器を使え」という彼らのメッセージは、彼らの言語を理解することで、「未来が分かる」=「時間という概念がなく、秩序ある世界」が訪れ、それは3000年後の彼らへの協力に対する人類への贈り物らしい。そしてルイーズは未来に彼らの言語の本を出版している自分を知り、彼らの言葉が理解できるようになり、未来が見えるようになった。と理解した。

「未来が予め分かったとしたらどうする」とルイーズは問う。「自分の気持ちを正直に伝える」はイアンは答える。このシーンがすべて。イアンとの未来を知るルイーズは悲しみを超えてすべてを受け入れる。エイミー・アダムスの表情が何とも良い。

ーこの世界では未来を変えることができるのだろうか。見えた未来は絶対なのかー

人間は感情の生き物だ。常識で考えれば、凄惨な未来が見えたら多くの人は争うだろう。そして未来は少しずつ変化する。 この映画で見えている未来はルイーズのものだけだ。シェン大佐の電話番号と彼の妻のダイイングメッセージを確認し戦争を止める。 別れると分かってもイアンと結婚し、病気でなくなると分かっているアンナを出産し共に暮らす。未来は変わらないのではなく、彼女が変えない決断をしただけだ。

ーまた、こうも考えられないかー

すべては彼女に言語を解読させ、秩序ある世界の入り口に《arraival》させるために、彼女に未来を受け入れる決断をさせているだけだとしたら。「武器を使え」という誤解を招く伝え方をして中国の戦意を引き出したことも、アボットが犠牲となって二人を助けたことも、すべては彼女の決断を引き出すための行為ではなかったのか。

ーでは、なぜ彼らは3000年も先の御礼を、このタイミングで与えにきたのかー

言語を理解し、我々に秩序ある世界が訪れないと、彼らの協力に結びつかないのではないか。そのためにはカオスに満ちた現在の我々にはそれくらいの時間が必要であり、今がリミットなのではないか。破滅に向かう我々を止めたのではないか。それこそが彼らの贈り物であり《メッセージ》ではなかったのか。

最初、原題の《arraival》の方が、この映画の意図に合っていると思ったが、人類への警鐘の《メッセージ》と考えたら邦題もなるほどと思った。深読みし過ぎか・・

最後に、

冒頭、マックス・リッチャーの曲を使っている共通点を挙げたが、 『シャッター・アイランド』ではモンスターのまま生きるのではなく、善人のまま死ぬ選択をした。 『メッセージ』では自分の悲しい未来を受け入れ、人類の未来のために生きる選択をした。 どちらも悲しくとも勇気ある選択だ。

しかしもうちょっと北海道がんばれよ〜 『コンタクト』の時は大活躍だったじゃないか。

色々映画を見てくると、勝手なつながりを見つけては楽しんでいる。

(評価:★4)

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