平均点数が現状４点の作品にこう言うのも陳腐かもしれませんが、この作品は素晴らしいと感じます。　恋愛がメインですが、レオンはハードボイルド作品の主人公的な性格ですし、死に方もまたハードボイルド的です（と言っても、古典ハードボイルドに死亡ラストはあまり無いですが）。よって男性が鑑賞しても大いに楽しめるよう配慮されています。　女性からの評価も、主観ながら高いのではないかと思われます。　しかし、本当に観るべきは１０代前半の少年であると思いまして、両主人公に感情移入できるのではないかと思います。少なくとも私が１０歳の時に観た、今作を超える衝撃は今のところ他にありません。生まれてはじめて余韻というものを理解しました。

かなり個人的な話になってしまったので、流れを然るべき方向へ戻しつつ別の面を……。この作品のレオンとマチルダ、それにレオンの旧友の人物造形を創りこんでいる事は言うまでもないでしょう。逆に気になるのは、狂人スタンや、ヴァンダム＆セガール作品に出てきてもおかしくないようなチンピラです。これらの人物には魂を感じる事が出来ませんが（悪だからという意味ではなくて）、何かこう、それ自体監督が確信を持ってやった事のように思えるのです。バランス感覚です。スタンくらいはもう少し人間性が見えても良いと思えますし、それを修正する程度の事はベッソンからすればいとも容易い仕事でしょう。何らかの配慮がある気がしてならない……というのは、私にとって感慨深い作品であるがゆえなのでしょうか。　――抽象的な表現が続きまして失礼。