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[コメント] ランブル・フィッシュ(1983/米)

詩を読むような感覚で鑑賞すべき
ExproZombiCreator

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







若者向け純文学作品の映画化であり、盗んだバイクで走り出すような作品であります。台詞が大変多く、地の文章の少ない小説でしたので、さほど内容を変えずに映像化できています。唯一の通俗的娯楽シーンといえる「タイヤを盗んだ主人公が追っかけられ、屋上から別の屋上へと飛び移るシーン」すらカットしてしまう勇気は素晴らしいと言えるでしょう。さらに金魚を放流するラストやバイクを二人乗りする秀逸のシーンを加え、純文学作品としては珍しい、原作を超えたようにも思える傑作に仕上がっています。

今作のロークはジェームズ・ディーンめいた役柄をこなしていますが、これが奇跡のキャスティング。喧嘩の強い伝説の不良という設定なので、ディーンのような雰囲気を持ちつつも、体格が良くて純朴さにやや欠けるロークはまさに適役。若い頃のロークが持っていた、羽毛のように柔らかい声の魅力が最大限に発揮されています。

ただし、娯楽作品以外は絶対に楽しめない、といった方がご覧になられるのは控えたほうがよろしいかと思われます……といっても、私自身娯楽作品自体は好きなほうであり、娯楽作品そのものを揶揄する趣旨で書いたのでは無い事をご理解頂きたい。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ

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