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[コメント] 127時間(2010/米=英)

天は自ら助くるものを助く、というテーマにおいては、『ポセイドン・アドベンチャー』など脈々と受け継がれるハリウッド的自助主義の系譜を感じさせる。
田邉 晴彦

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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極限状態からくる遭難者の幻覚症状の描写という点では、『運命をわけたザイル』を思い出した。特に、頭の中を唐突に俗世的なサウンドとサイケデリックな映像が駆け巡る様などは酷似。

ワンシチュエーションスリラーとしては、はるかに出来が悪いが『リミット』なども同じくシネクイントで本年公開されたばかり。

つまり、特段フレッシュな点は存在しない映画である。

しかし、本作が一定の評価を得ているのは、そこにしっかりとヒューマンドラマを描き込めたからに違いない。空を飛ぶ鳥にさえ、運命の取り決めなど存在しない。自分の未来は意思で切り開くのだ、という至極真っ当で力強いメッセージを、これ以上ない熱演でジェームズ・フランコが体現している。

肉を切って骨を断つ。少し、本来の意味とは違うが、言い得て妙な作品であった。

(評価:★3)

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