コメンテータ
ランキング
HELP

DSCHさんのコメント: 更新順

★2オブリビオン(2013/米)借り物の寄せ集め。表層的なところを撫でるだけで「全然分かってねえ」という印象を持った。記憶を扱うならもっとビショビショに切なくできるはず。これがSF愛だと言うならトレースじゃなく屍を超えるべき。タランティーノ先生の爪の垢でも煎じて飲むがよい。 [review][投票]
★4仁義の墓場(1975/日)戦後闇市秩序からの逸脱を完遂した怪物というより、逸脱を図りながら結局「戦後」に絡め取られてしまった濡れた仔犬といった手触り。これも、「こうあるしかなかった時代の人柱的青春」の点描として優れていると思う。哀しき命の無駄遣い。 [review][投票(4)]
★4セトウツミ(2016/日)臆病な二人、「流れ」と「沈殿」の映画。オモロいというよりも切ない、ほとんど恋愛映画。他愛ないような見た目と裏腹に引き締まった会話劇の機微と相まって、交わされ、外される視線の演出がとてもスリリングだが、ここまで切なくする必要があったのかとも思う。 [review][投票(3)]
★2ベイマックス(2014/米)「丁か半か、よござんすねぃ!」的賭場でヤーさんがプレステのコントローラーをピコピコやる時点でダメだこりゃと思った。速いだけでエモーションの乗らない、重量感のないアクション。そっち行っちゃうのかな主題のとっ散らかり。街の造詣の媚び。主人公のチートインフレと脇のウザさ。棒読みケアロボという良い素材も台無しで、明白な映画音痴に嘆息する。「こども向け娯楽映画」への侮りを感じる。[投票]
★4劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス(2014/フィンランド=仏)「そっ・・・それじゃ、何にも着てないみたいじゃないか!」これが本人にとってはギャグになってないというのがいい。大体においてレベルの高いギャグはそういうもので、この手の笑いに事欠かない。色彩担当は結構原作に寄せにいっているが、それでも改めて原点を紐解くと、トーベ・ヤンソン先生の偉大さがわかる。[投票(1)]
★5リメンバー・ミー(2017/米)ぼくを、わたしを、おぼえていてほしい。誰かが誰かであるために、必要な記憶。それは弱さでも強さでもあり。煩わしさであり喜びでもあり。つまり呪いであり、祝福であり。家族と人の陰と陽、その二面性が、「陽気でカラフルな死者の国」と「音楽」という絶好の二面的装置で語られる。死者と生者の間には、無数の「赦しのひとひら」が降り積もっている。そのマリーゴールド・オレンジ、記憶の温かさと切なさ。傑作。 [review][投票(2)]
★4長靴をはいた猫(1969/日)「カミュかお前は!」とツッコミを入れたくなる裁判シーンがまず傑作だ。ドタバタにあたたかく粋な知性をスパイスにするセンスは井上ひさし脚本の賜物だろう。「ロングショットでジャイアントスイング」など、ナンセンスアクションを斬新に切り取るアイデアが嬉しい。スタッフロール中の「ギャグ監修」に笑った(グッジョブ)。リアルタイム世代ではないが、往年の東映感もなんだか嬉しい。[投票]
★4シング(2016/米)ご来場の全ての生き物の皆様=出自、種に関わらず、生きとし生けるものの全てに、音楽の神はジャンルを超えて分け隔てなく微笑みかける。音楽は平等。全員優勝。ハレルヤ。(ギャグは平等じゃないのはナイショ) [review][投票]
★5キル・ビル(2003/米=日)突き抜けたバイオレンス・ファンタジーによるリアリズム批評の中に、強靭な芯が一本。深作も香港もアニメもマカロニも、全ては「情念」のために。なんか過激なギミック雑多にかき集めれば誰か喜んでくれるんじゃね?という浅薄さから程遠い、真摯な映画。求心力としての「情念」そのもの、ユマの澄んだ瞳に射抜かれる。こんなカッコいい映画だったのかと。 [review][投票(4)]
★3スター・ウォーズ 最後のジェダイ(2017/米)「シン・帝国の逆襲」または「私は如何にして心配することをやめて暗黒面を愛するようになったか」。自殺するスターウォーズ。ディストラクティヴなコンセプトはさもありなんとするスタンスだが、演出が死んでいて、いい映画にはなっていないと思う。演出だけで評価するなら★2レベル。 [review][投票(7)]
★4あらしのよるに(2005/日)異端の俺とお前。この世界に二人きり。捕食者と被捕食者の生理という足枷が加えられたロミオとジュリエットの理想的な翻案。「きっとあるよ、緑の森」。この台詞で涙が流れたのは私の心が汚れてしまったからだろうか。 [review][投票]
★4名探偵ホームズ劇場版 ミセス・ハドソン人質事件/ドーバー海峡の大空中戦!(1986/日=伊)天才は全く衰えていないにせよ、『もののけ姫』以来失われて久しいアクションのユーモアや明るいナンセンスがなつかしく、嬉しいやら寂しいやら。「鬼ごっこ」をやりたいがためだけのキャラ設定の割り切りが『カリオストロ』と同列で潔く、ホームズとハドソンさんの余裕あるキャラ造詣がアクションと好相性。ハドソンさん19歳!という昔ながらのロリコン気質に拍手喝采。じつにけしからん。 [review][投票(1)]
★5ブレードランナー 2049(2017/米=英=カナダ)実存と生命と愛。滅びと対置される強靭なシンプリシティ。「魂」に触れる驚き。(再見して追記) [review][投票(7)]
★3アウトレイジ 最終章(2017/日)ああ、海だなあと思ったら、初めこそ青いものの、以降これがあまり青くなく、罵声を添えて銃弾まで撃ち込んでしまう。血飛沫も多くて赤い。自分のキャンバスを敢えて汚そうとしているかのよう。ヤケクソな遺言めいている。 [review][投票(6)]
★4モンスターズ 地球外生命体(2010/英)モニタ越しの「襲撃」。伝聞による「隔離」。ファインダー越しの「死」。「それ」は本当にいるのか。あらゆる「壁」に「封じ込まれた曖昧さ」が世界(日本を含む)において、事態を「本当に」認識することの難しさを提示する。これを克服する手立ては、「歩く」ことより他にない。低予算映画とのことだが、ロードムービーとしての仕立ては必然であり、仮に予算があったとしてもこういう撮られ方以外にないだろう。 [review][投票(2)]
★4哭声 コクソン(2016/韓国=米)信じる信じないや嘘や本当ではなく、信じたいか信じたくないかの願望。そこに明確な根拠はなく、提示される「あからさまな怪しさ」に人はひたすら引き摺られ、惑わされる。その弱さに「悪霊」は付け込み、しまいには人そのものが「悪霊」になってしまう。真実は常に苦く、願望の前に脆弱である。古典を踏まえ、大袈裟ながら誇張ではなく、事実こんなものだと納得させられる。ラストは泣いた。こんなものに人は勝てないのだ。 [review][投票(2)]
★5不思議惑星キン・ザ・ザ(1986/露)ああ。なんて不毛なんだ。その可笑しさと表裏一体の恐ろしさ。提示の匙加減が素晴らしい。 [review][投票(2)]
★4ゾンビ(1978/米=伊)「生きている死者」なのか、「死んだように生きる生者」なのか。曖昧になった境界からの目覚め(dawn)。zombieという邦題ではこの主題が見失われてしまうだろう。これはliving dead「生ける屍」の物語である。印象に残ったのは痛々しく冷え切った男女関係。生ける屍になりたくない女と、生ける屍になった男。 [review][投票(5)]
★3カーズ クロスロード(2017/米)教えることで教わり、教わることで教える。「師弟」の物語としてそつがない。ただ、子ども向けに見せかけて大人の映画だった第1作に比して、これは大人向けに見せかけた失敗。『ミリオンダラー・ベイビー』にしてくれとまでは言わないが、苦い情感でビショビショにして欲しかった身からすると、かなり予定調和で物足りない。最低限の感動は保証されるが、ラストは「それはねえよ」と思った。総じて善意に溢れすぎ(←御門違い) [review][投票]
★4希望の国(2012/日=英=香港)言葉も情報も意味と力を破壊されたあの時、言葉はあらゆる目的のために再構築された。希望を謳う言葉を疑い、憎みながら縋らざるを得ない弱さを抱きしめ、言葉の無力に苛まれながら、それでも園子温は「希望は嘘をつくことがあるが、絶望は嘘をつかない。希望はそこから始めなければならない」と言い切った。言葉の人としての、血を吐くような吐露と思う。万人向けの解ではない。それでいい、それがいいと思う。 [review][投票(3)]