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DSCHさんのコメント: 更新順

★4へレディタリー 継承(2018/米)トニ・コレットに●●したのは◯よりむしろシェリー・デュヴァルだろう・・・というお話はともかく、『シャイニング』(キューブリック版)等が正しく踏まえられた達成。演出面のオマージュも然りだが、家族という牢獄の中で、秘められた不信と憎悪が顕になることで事が粛々と運ばれる底意地の悪さも。 [review][投票(1)]
★4アフリカン・カンフー・ナチス(2020/独=日)すばらしい闇鍋映画。笑うべきかどうか少しだけ迷ったが、すぐ笑うことに決めた。人類の敵は悪意をもって嗤ってやらねばなるまい。公式サイトと東條役秋元義人氏のサイトも必見。 [review][投票(1)]
★4DAICONFILM版 帰ってきたウルトラマン(1983/日)風の谷のナウシカ』巨神兵が荒ぶるシーンでの庵野さんの関与を知った事を契機に、「庵野は爆発だ」「爆発が観られればモトが取れる」と真剣に考えているファンとして、期待に見合う爆発とカッティングが観られて嬉しい。しかしそれだけではなく、あのダサいジーンズでの飛び蹴りには不覚にも胸が熱くなってしまった。熱くなってしまったものはどうしようもない。[投票(1)]
★4ディック・ロングはなぜ死んだのか?(2019/米)ハングオーバー』フォロワーかと思ったらポストコーエン兄弟だった件。たちの悪い冗談のような人生。笑うべきなのか、嗤うべきなのか、悲しむべきなのか、再三さりげなく差し挟まれる十字架の作用もあって、複雑な感慨に放り込まれるが、コーエンより心根が優しい気がする。脚本がすごくいい。断じてただのバカ映画ではない。 [review][投票(1)]
★3ガンズ・アキンボ(2019/英=独=ニュージーランド)手垢な人間狩りモノだが、安全圏から視姦するクソリプ野郎がバーチャルからリアルに放り込まれて生を知るという、これも手垢っちゃ手垢だが割と好き。演出は典型的なゲーマー世代の代物で好悪分かれ、瞬殺されておかしくない状況を切り抜ける展開にヒネリが欲しいが、ラドクリフ君の痴態は笑ったし、何より無双殺人鬼サマラちゃんの三白眼マッドネスという背徳キュートと啖呵。フィクションにだけ許された倫理的特権。[投票(1)]
★3グッバイ・クルエル・ワールド(2022/日)GONIN』の縮小再生産。核のふたりの虚無、刹那感が表層的で、自分に酔った愚か者にしか見えない。参照されたと思しき(今や)古典からの引用も半端で、特に終幕の海の微妙さには首を傾げる(たけしさんいかがですか)。美意識ってものがありそうでない。『GONIN』には美意識があったのだ。あれが良かったのだ。 [review][投票(1)]
★3LAMB/ラム(2021/アイスランド=ポーランド=スウェーデン)十分とんでもない話なんだけど、もっととんでもないことになると思ってワクワクしてしまった私は心が汚れているのでしょう。 [review][投票(2)]
★2オールド(2021/米)容赦なく過ぎ去る圧縮された時の中でいかに赦すか赦されるか。恍惚と忘却の奇跡など心揺さぶられるシークエンスもあるのだが、そこはやっぱり掘り下げない(掘り下げられない)。強迫観念的にスリラーシーンとオチをつけて、過程の旨みをスルーする安定のシャマラン。ヴィッキートーマシンも魅力に欠けた撮り方で、ファンとしては嘆息するしかない。[投票(1)]
★3ラストナイト・イン・ソーホー(2021/英)鏡を介した彼我の混同の演出がかなり凝っていて(どうやって撮るんだろう)、主役二人の良さもあって見入るのだが、にしてもヤング向け(死語)劣化マルホランドドライブの域を出ないなあ、このまま逝くのだろうかと思っていると、 [review][投票(2)]
★2ザ・ウォード/監禁病棟(2010/米)残念ながら、清々しいまでにつまらない。カーペンターの精髄って、絶対に整合性とかオチとはかけ離れた、自分の脳ミソの知らないところを揺さぶられる感覚だと思うのだが、ここには何もない。ショック演出の陳腐に嘆息。ダンスシーンの禍々しさも、『インランド・エンパイア』の百倍希釈レベル。[投票(1)]
★5DUNE/デューン 砂の惑星(2021/米)文字通り血を吐く異文化交流。五感で飛び込み命を賭ける全霊のコミュニケーション。これはヴィルヌーヴらしい「境界線」上のドラマの徹底。無類の「巨きさ」と細部の意匠、「豊穣な緩慢さ」にも磨きがかかり、もはや新古典の趣。ド直球で好み。嫌いな人がいるのも相変わらず頷けるが。 [review][投票(1)]
★4モンキー・ビジネス(1952/米)ホークス初見。突然跳んだり跳ねたりのジンジャーらの痙攣的な突拍子もないアクションが楽しい。コップ芸の動きを見るに体幹バッキバキだろう。グラントの余裕(でも真面目にやってる)、暴走シーンのスピード感も含めて他愛ないように見せかけて紛れもなくプロにしか出来ない高度なおふざけ。フェイスペイントに瓶底眼鏡のグラントが愛おしいです。モンローはモノクロの方がかわいく見えますね。[投票(1)]
★4Swallow スワロウ(2019/米)他人の身体、消化器官としての「家」(社会)。対して「異物」としての主人公。異物のままに排出され、何ものにも包摂・消化されず、異物のままに生きるということ。一見スリラーのフリしたフェミニズム映画に見えるのだが、実はそれにすらも背を向けている孤高がある。身体性とテーマを重ねた演出はこの点、一貫して見応えあり。私のこころも体も、私のものだ。 [review][投票(2)]
★4茶目子の一日(1931/日)シュール。人が物や生活を支配しているつもりになっているのは大きな思い違いではないか、という気持ちの悪い気付きがある。物と生活が人を支配するのだ。(服を着るのではなく着られるシーンで安部公房の『』を想起した)作り手がその気なのかわからない脳天気がまた異様で、自由意志が蹂躙されてるようにも見える結構なホラーフィルム。(寒山さんのレビューで興味を持ち、調べたところ、YouTubeで視聴出来ました)[投票(1)]
★3バクラウ 地図から消された村(2019/ブラジル=仏)清汚併せ呑む「マイノリティ」「逃亡者」のアジール。多様性だの人権だのとうるさい、面倒だから消えてしまえばいい、という「マジョリティ」の潜在意識。「今から数年後」とされる点から、大なり小なり、いずれ血の雨が降る、という「断絶」の予言的寓話として観るべきであり、混沌がジャンル映画的に簡潔な帰結に至るのもアイロニーの一つなのだろう、と思いたい・・・が。 [review][投票(2)]
★4ライトハウス(2019/米)潜在的欲望と罪悪感で自分の首を絞め、現実も夢想も全てが懲罰の暗示になってしまい、閉鎖空間でクソまみれになって自滅する。それが古臭い男根的価値観に根差していることなどへの嗤い・諧謔を含むことなども含めて『シャイニング』(当然にキューブリック版)っぽい、というのが素朴な感想。霧笛がめっちゃ禍々しくて素晴らしい。(注:レビューにいくつかの性的表現を含みます。少し追記) [review][投票(3)]
★3トマホーク ガンマンvs食人族(2015/米)ブルータル・ジャスティス』から逆走して観た。穴居人はネイティヴ・アメリカンとは峻別して提示されるが、「白塗りの黒人が白人を駆逐する」という『ブルータル〜』のモチーフを踏まえると、やはりここでも登場する黒い肌を白く塗った未開のモンスターのイメージには監督の強迫観念的なものがあるのかなと思う。 [review][投票(1)]
★4Mr.ノーバディ(2021/米)要するに回春ネタだというのが可笑しい(アツくなってきた!)。全編にわたり冗談、シャレが貫かれており、何度も観たくなる画も多い。殺戮をギャグにしようと思っても、凄惨な影を払拭するのは結構難しいもので、これがちゃんと出来るのは絶対偉いと思う。Don’t stop me now.Cause I’m havin’ a good time, havin’ a good time ! [review][投票(1)]
★3パラサイト 半地下の家族(2019/韓国)落っことされた細部が魅力的過ぎてむしろ不可解な出来。「pretend(〜フリをする)」の主題が、なぜ「豊かな家族」側でも語りが貫徹されなかったのか。「豊かな家族」という「みたされた生活」「円満な家族」という「幻想」への「寄生」。その幻想を補完するためのツールとしての「半地下」だったとしたら?「寄生」を試みたのは「金満家族」側も同じだったことをもっと明らかにし、深彫りすべきだったのではないか? [review][投票(4)]
★4地獄の警備員(1992/日)「許す?お前の何を許すんだ?」「どうする?それは、あんたが決めることだ」「お前はそれを理解することに耐えられない」・・・問いかける「異常者」、そして暗黒に染まる主人公と世界。黒沢清初期作でありながら観る者の「清指数」が問われる清一見さんお断り映画。 [review][投票(2)]