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DSCHさんのコメント: 投票数順

★4おいしい生活(2000/米)「教養不足」がそれと知らずスノビズムをコケにするのが笑いの基本線だが、「俗」への「嫌悪」ではなく優しい眼差しが快適。この暖かさこそ品性。そりゃカタツムリよりチーズバーガーだろうさ。更に傍目には破綻して見える罵り合い基調の夫婦関係が「当事者にしか理解し得ない愛」で成立している、という夫婦関係の本質理解が至上の「夫婦漫才」を完成させる。罵りと茶化しの応酬に「突如」挟まれる抱擁シーンの可愛らしさ! [review][投票(2)]
★5天空の城ラピュタ(1986/日)「ぅあぁがぁれえぇぇぇぇぇ・・・!(平均点)」 (レビューは今更感満々のシビレポイントと極私的ネタ)僅かに追記。 [review][投票(2)]
★5つみきのいえ(2008/日)お願い、もうそれ以上深く潜らないで・・・!(滂沱たる涙と共に) [review][投票(2)]
★4バートン・フィンク(1991/米)全ての事象が、等しいレベルで、同じ方向に、少しだけ、ズレている世界。「違和感」を秩序立てて統制することでコーエンが現出した世界には、その世界だけの確固とした「リアル」がある。異物に闖入されて崩壊する日常ではなく、自らが異物として飲み込まれ、排泄される恐怖。魂焦がすほどの違和感はやがて後戻りできないカタストロフへ。秀作。[投票(2)]
★5紅の豚(1992/日)時代の道化=豚。時代の要請として「カッコいい英雄」で「あるべき」男が、徹頭徹尾時代を無視して自己陶酔する「破廉恥な豚」であることをわざわざ誇示する勇気。あの時代、あのイタリアで徹頭徹尾「カッコ悪く」「遊び続けること」は命懸けだ。何よりそれは、戦争を明るく放棄する反逆者として「カッコ良いこと」ではなかったか。好きな映画なんだけどなあ・・・ [review][投票(2)]
★5オーケストラ!(2009/仏)歴史に踏みにじられて散り散りになってもしぶとく熱く生きる、人への、音楽への想いを束ね、爆発させる展開に涙が止まらない・・・そう、これが魂の音楽。心を引き裂かれても人は演奏したいものなんだ!神が降りてくる瞬間は必ずあるんだよ!(いち奏者としてやや感情的なレビュー) [review][投票(2)]
★5アビス(1989/米)魂の・・・ [review][投票(2)]
★5ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999/米)結果に至る過程の説明を全排除し、矢継ぎ早に「結果」だけを繰り出す。本来は語り手の無能を示すが、意図的に行えばその限りではない。ここまで観客の脳内補完力に完全依存する徹底ぶりは、無能では決してなく、観客の成熟を期した確信犯(であると信じたい)。後にも先にもあってはならない社会的実験妄想力認定映画。一番怖いのは己の頭ん中である。唯一無二。[投票(2)]
★1アバター(2009/米)母の怒りに任せて機銃を乱射するシガニー・ウィーバー。或いは”Fight!!”の絶叫と共に瀕死の妻の冷たい頬を平手で打つエド・ハリス。或いは「ただ、護る」ために死を期したマイケル・ビーン。汗と涙と、時には涎すら流す、美しくはなくとも迫真力、体温のこもった魂のアクションを、この画面が凌駕出来るというのか。答えは否である。ここにはキャメロンの「アクション」が一つもない。寂寥感の支配する豪華絢爛。[投票(2)]
★3ターミネーター3(2003/米)「ごち〜ん。」シュワちゃんのたてる間抜けな金属音に脱力すると同時にこだわりを捨てて吹っ切れる。クリスタナ・ローケンの「表情豊かな無表情」。「アレ」でぶん殴られた際の表情の可愛さと言ったら!映画史上屈指の笑える金満格闘シーン。破壊表現CGの変なスピード、質量感も笑える。愛嬌のある映画。ただ、こだわりのある人には酷過ぎる。[投票(2)]
★3アイズ ワイド シャット(1999/米)稀に見る急降下右肩下がり。先生、ごめんなさい。 [review][投票(2)]
★1パコと魔法の絵本(2008/日)薄ら寒いギャグの連打とゴテゴテと毒々しい画面はセンチな筋運びの照れ隠しなのだろうが、ケレン味を通り越して悪趣味としか言いようがなく、必然性を全く伴っていない。感動、狂気のどちらも本気で語る覚悟のない虚飾まみれの語りに感じるのは、「誤魔化される」ことへの苛立ちのみ。[投票(2)]
★5チャップリンの 独裁者(1940/米)エンディングのBGMについて。そして全裸のチャーリー。 [review][投票(2)]
★4ニューオーダー(2020/メキシコ=仏)劇中、結婚式を除けば劇伴は冒頭とラストのみ。冒頭は、「死者だけが戦争の終わりを見た」というタイトルの抽象画をバックに、ショスタコーヴィチの交響曲第11番の一楽章導入。冴え冴えとした空気に滲む流血の予感。ここからすでに破滅の足音が凄まじい。「侵食」の映画。 [review][投票(1)]
★3ボーはおそれている(2023/米)愛よりも憎しみを確かめあう仁義なき戦い。帰省って確かにそんなものなのかもしれない。罪悪感が現実認識を歪める信頼できない語り手の画面にその観察が乗せられて、全てが哀しくオモロな人生の比喩表現になる。そんな中で開陳されるホアキンの痴態が面白くないわけがなく、ネイサンの垂れ眉などナイスキャスティングなのだが、どうにも突き抜けず、「壮大な茶番走馬灯」の域を出ない。 [review][投票(1)]
★4THE BATMAN ザ・バットマン(2022/米)「またお前か」の感はあるが、もう日本人にとってのゴジラみたいなフォーマットなのだろう。「探偵」の性質が強調された、恐らく史上最弱のバットマン。驟雨に打たれるアメリカの自分探しと襲来するアイデンティティの喪失・転倒の反復。念入りに編まれた既視感こそが肝。ゾーイが超絶美人で眼福。 [review][投票(1)]
★4哀れなるものたち(2023/英)ようこそ、この滅びと生の不思議の国、「人間の世界」へ。シン・『シザーハンズ』+不思議の国のアリスの趣。哀れなるものたち、抑圧と解放、被害者と加害者を己の中に同居させる不思議な獣。世界のバランスに関するグロテスクな寓話。ややもすると宮崎駿の生き霊が憑依している。面白いが、撮影はやり過ぎ。 [review][投票(1)]
★4サイコ・ゴアマン(2020/カナダ)何かと大時代で冗談の通じない残虐宇宙怪人がクレイジー鬼畜少女に手玉に取られる・・・というどこかで聞いたような設定で、笑いから特撮演出まで、何だか懐かし新しいニューレトロの趣。ミミの明るい七変化外道ぶりが楽しく(逸材ではなかろうか)、暴政に喘いでも何となく満更でもなさそうな兄ルークのリアクション演技も可笑しい。そしてやっぱり特撮の面白さ。アホな設定、顛末、ヘビメタも含め、はっきり言って好き。 [review][投票(1)]
★4ロスト・ハイウェイ(1997/米)それまで「穴」「光」「カーテン」を介して異世界と繋がっていたのが、ここから「顔(肉体)」「名前」を介してねじれた迷宮を創造するようになった。それらが「穴」(結節点)になったのだ。そして「穴」は拡散し、偏在するようになる。何が中で外か、前か後か、果てない混沌が広がる。変哲のない部屋、陽光をこれだけ恐ろしく、しかし蠱惑的に撮れる監督はやっぱりいない。 [review][投票(1)]
★2サタンタンゴ(1994/ハンガリー=独=スイス)鐘の音、汚いアコーディオンのメロディがこびりつく。体臭や口臭、饐えた臭いに満ちている。ノアの洪水のように雨がいくら降っても何も洗い流せず、その感傷も含めて何もかも無価値だ。カットの長さの意図も分かる。ニヒリズムの極北を語る不退転の覚悟は無二のものがあるが、まあ、有り体に言って、大嫌いな映画だ。何か嫌いなものに立ち会えば、逆説的に、自分が何が好きかわかる。そのことは大変有意義なことだと思った。 [review][投票(1)]