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[コメント] 笑の大学(2004/日)

冷徹な男が狭い取調室内をこけつまろびつ駆け回った末、遂に「笑い」を獲得し、初めて人として「誕生」する。愉しくてやめられない、とまらない。これに「立ち会う」稲垣の表情。効果的スローモーション。この演出には不覚にも目が潤んでしまった。ここは奇跡を超えた映画。というか、ここだけ映画的。
DSCH

ちょっと見反骨の士に見えない反時代漫画的稲垣のガッツやさすがの役所の役者根性、笑いで時代の悲劇に反駁するという設定には確かに燃えるのだが、三谷の脚本には毎回観る者の好意的解釈というか共犯性に甘える生ぬるさが見えてどうしても苦手。材料の良さに比して甘さが目に付くが、元来取り上げる材料に良さの片鱗も見いだせない(私の場合)三谷原作では異例の良さと思う。何にしてもいろいろ惜しいが、説明するのはめんどくさい。説明したいけどめんどくさい。そういう映画です。

(評価:★3)

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