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[コメント] テッド(2012/米)

下ネタは純情の照れ隠しに過ぎず、ペグ&フロストのバディ物から毒気を抜いた口当たりのよさというか物足りなさ。でも、リアルなイタさより、この善意を買いたい。安ホテルの死闘(?)には虚を突かれて感動してしまった。相手を本当に思いやって殴ってくれる友人は、下衆のボロ熊だろうが、宝物だ。コイツは幸せ者。
DSCH

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







安ホテルのシークエンスは『キル・ビル2』のトレーラーでの決戦のパロディ。ここは単発の笑いではなく、アクションや編集のキレが剥き出しのエモーションと結びついている点でも良いパロディであり、かなり長丁場だということも手伝って、照れのない本気度が感じられる。もちろん笑える(打擲音!)のだが、ここは突き抜けていると言っていい。ちょっと感動した。

ウォールバーグはどのへんに美質を見出せばいいのかいまいちわからない俳優だったが、これはいい。冗談と愛嬌だけでどうにかしている感がうまく出ていやらしくなく、でもやっぱりバカ、というキャラクタが楽しい(フラッシュ・ゴードンの主演俳優の元へ急ぐ際の、気が焦って目が見開き、額にシワが寄ってる感じが最高。)この男にしてこの女、さもありなんという感じで、ミラもいい。

誰にも伝わらない偏愛対象で、機会があったら何もかもかなぐり捨てて会いに行きたい対象って、自分は誰だろうな。ワルター・ヴェラーかな。ラフマニノフ指揮してくれって頼むんだ。私の周りでこれが好きって奴は殆どいなかった。一人か二人いたかも。それでも、だからこそ私の青春の音。もう死んじゃったけど。これは絶対伝わらないだろう。

(評価:★4)

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