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[コメント] ブルータル・ジャスティス(2018/米=カナダ)

顛末語りの根底にあると思われる社会観が少し煙たい(※)ものの、面白い。グダグダな喋りの緩さ、おかしさと呵責ないアクションの緩急の「間」による翻弄。片頬だけ上げて皮肉に嗤う「たちの悪い冗談」としての人生。タランティーノコーエンの後に来たるべくして来た象徴的なアメリカ映画。覆面二人の異様な迫力とカラッカラに乾いたブラックユーモアがたまらない。撮影も相当いい。
DSCH

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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※ 白と黒の色彩の使い分けが象徴的。白塗りの黒人、全てが塗りつぶされる夜の漆黒。言ってみればここにあるのは「黒」による「白」の駆逐だ。そして、その「黒」は勝者となり、その「家」は「白く」塗りつぶされる。マイノリティとされる黒人が白人を駆逐してマジョリティになる、その社会的な恐怖感というか強迫観念が顛末に反映されている。良し悪しの評価は措くけれど、単純に客観的に、一つのアメリカの反映であると思う。そんなこと抜きにしても面白いのだけど。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)disjunctive[*] 袋のうさぎ[*] ゑぎ[*]

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