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[コメント] ドラえもん のび太と鉄人兵団(1986/日)

二十数年ぶりに娘と観たが、やっぱり泣いた。泣いちゃうんだからしょうがない。思春期性の疼きを歌う名曲「わたしが不思議」を、リルル、しずかの二つの「心情」に重ねさせる。そして二通りの切なさが倍々ゲーム式に襲いかかる。凄まじい涙腺破壊力だ。だらしなく涙を垂れ流す私の目に、クレジットの「演出助手 原恵一」の名が飛び込んできた。納得した。
DSCH

思春期性の疼きも、ロボットの中での人間性の目覚めも、どちらもワンダーの世界だ。その衝動をどうすることもできない。説明のつかない情動がクロスする中心に、この楽曲が完璧な楔として打ち立てられる。私の知る限り、最高のアニソンである。単体で切り取っても、異常にいい曲なのだが。

「三万年」の越境感は手塚大先生の作品的な手触りもあり、「鏡」や「反復」のモチーフも、人間とロボットの業のテーマとの合わせ技で趣深い。

ところで、リメイク版主題曲は「わたしが不思議」ではないらしい。ふざけるのも大概にせいと思う。

(評価:★4)

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