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[コメント] ニューヨーク1997(1981/米)

突然顔を出すゴージャス感(ガンエフェクト、キャスティング)と弛緩したB級真空的演出の落差が唯一無二の笑いを生む。「間」の悪さが天才的だが、批判を寄せ付けない「愛」のコク深く、最終的に漢気でつけるアウトロー的落とし前が熱い(ただし何がどうしてこうなったのかさっぱりわからない)。この「愛」を笑ってはいけないのかもしれない。ある意味卑怯。
DSCH

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







巻き込まれ式おつかい型成り行きまかせRPGミッション。

遭遇するのは場違いなほどゴージャスな面子(でもスットコドッコイ)。ラッセルが輪をかけてだらしなく、クールにキメようとしてるが狼狽を隠せない表情が可愛らしい。ヒロインかと見せかけて登場し一瞬で消滅する謎の女、妙に弱いNO.2(デヴィッド・ボウイの出来損ない)、最終的には見捨てられて単騎駆けのギャングボスなどに独特の無常感が漂い、リー・ヴァン・クリーフの放置プレイも味わい深く、ヒロインの大見得の不発、トンデモ小物など爆笑(失笑)ポイント多数。

しかし、これをもしかしたら笑ってはいけないのかもしれない、と思わせる映画の体温を感じる。どこが?と訊かれると困るのだが、この感覚が「同情」や「憐憫」に基づくものではなかったことだけ記しておきたい。

絶対的ヒーローなんているはずがない。小物だらけのミニマムでカッチョ悪いせめぎあいを通して、何かを観せんとする意気。この映画そのものがアウトロー。よくよく考えると本当のアウトローって、カッチョ悪さがカッコ良さに転じていることが多いのではなかろうか。

ありがとうございました。

※ 以下余談。「Stanley Tシャツ」でググると素敵なHPに飛びます。スネイク(スネークと発音してはならない)と処刑レスラーのフィーチャーTシャツが・・・いわゆる映画Tはダサいのが一般的通念ですが、これはオリジナルに意匠を施したもので、相当オシャレです。他のアイテムも素敵です。

(評価:★4)

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