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[コメント] 魔法少女を忘れない(2011/日)

今何かと話題の「魔法少女モノ」とあって手に取る。
シオバナカオル

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ライトノベル原作というのが露骨に表れているキャラクター、台詞、シーンをそのまま映像化しただけの脚本と演出に驚く。

実写映画=オリジナルとの差異化をもたせて初めて映像として活きてくるということにまだ気づいていない作り手側の人間がまだこの世に存在したのか・・・彼らはここ最近何を見て過ごしていたのだろう。

主人公の男の子はどうにでもなるとして、ヒロインの女の子の可愛さは明らかに別のベクトル。2次元の所謂「萌え要素」を内包しうる存在感が無い。可愛いは可愛いのだが、細目、細身、整った輪郭・・・すべてがセオリー通りの3次元的方向を向いている。ここに無理が生じ全体の歪みとなる。

またエンディングのやっつけ仕事っぷりが半端じゃない。恐らく原作の諸々を尺の都合上カットしたおかげで、魔法少女というものが全くどんな存在か見えてこないが唯一物語上、既存の「魔法がポンッ!少女がキラキラでヒラヒラ!」というようなものではなくもっとシリアスな描かれ方をしてきたにも関わらず、最後の意味不明な曲を挿入しすべてをぶち壊した。またそこからのセンスのかけらも無いエンドロールと編集には失笑を通り越して憤りすら感じた。

これ絶対原作のライトノベルは(現段階では未見であるが)、面白いはず。魔法少女=幼い頃に触れ馴れ親しんだにも拘らず成長とともにいつの間にか消えていく少女というプロットがすでに面白い。

最高級とまではいかないが良い肉を使っているのにしょっぱ過ぎて食べられないという、残念な作品。

(評価:★1)

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