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[コメント] レヴェナント:蘇えりし者(2015/米)

荘厳な自然を前にして「しかし俺がいなけりゃ、山も川も凍てつく大地も所詮は無なんだ」と拳を握るような、そんな自然と同尺度に人間を映し出した視線が鮮やか
週一本

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







文明化された社会でこそ愛や良心が尊く生きる為に重要な要素になっていくのに対し、直接的な死の危機という自然の前には「生きる、生きたい」「食べたい、寝たい」「死ねない、奴を殺すまでは死ねない」こういった信仰心や道徳、良心の前では忌むべき業となってしまう惧れのある、感情、本能、単純で明瞭な生への執着が何より大切なのだ

グリズリーを前に手を合わせ神の救いを祈るのは、ひとつの人間の態度であるかもいれないが生体としては敗北行為である

だから復讐も、失った愛する人の面影を浮かべるのも重要な生への執着だったのだろう

この本能を自然と対峙させてしっかり浮き上がらせている視線に神聖ささえ覚える

「ケチな復讐の為にここまで来たのかい?」確かにそうなのだ、しかし人はこの自然という神の世界に対しては、やはりこのケチな業をもって対話し学び冒し続けてきた、チンケな復讐劇、だがこれは確かに人を描いている

(といっても最後は川の流れに宿敵を委ねるのがやっぱりアメリカ的、キリスト教的なんですかね)

この先はチョイ余談ですが、自分にとってシャッターアイランド、ディパーテッドで稀代のマゾ俳優の片鱗を見せてくれたレオ様が(Jエドガーはその中でも異色、というより変)もうこうなったら俺は熊と闘うしかあるまいと(といっても実存したモデルが実際熊と闘っているのだが)覚悟をきめて挑んだこの作品でようやくオスカーをくれてやったハリウッドというのはなかなか粋だなと思った(ん?粋かぁ?)

更に追記、一夜の寝床となってくれた馬に対し、その元を去る時、躯にそっと手で触れる、ああいったシーンはホントにいいな

更に、最後のトムハーディとの血みどろの格闘、「抜きな!どっちが素早いか試してみようぜ」のアメリカでこの凄惨さは新鮮、なんと生々しい取っ組み合い、あの雪にこびり付いた血のり!!!

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ぽんしゅう[*] けにろん[*]

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