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[コメント] ファントム・スレッド(2017/米)

幸せな男、オマエの全ては愛によって置換された
週一本

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







男を男たらしめていたルール、怖れることなくそこを去り、女の愛に全てを委ねればいい

ルールを捨てることは敗北ではない、何故なら証に男の何が変わったというのか

人生も仕事も情熱も無くなりはしない、一段と輝き熱を帯びたであろう

何を怖れていたのか、過ぎ去れば消えてしまう傷跡、ただただ暗い習慣だった

愛を容れよ、死の皿も悦んで容れるのだ、オマエは女神に接吻するだろう

※以下、蛇足的追記

オレ自身、独身男性の立場から見ると、やはりこの物語は男の願望、女神に関するお話だと思う(となると既婚男性、そして何より女性の感想が聞きたいわけですが)。しかしパンチドランクラブで見せたほどの完全無欠な女神像ではなく、嫉妬もするし痛いサプライズもする、少し行儀の悪い食べ方のアルマちゃんですが、しかし後半になるにつれその神性は強まり、毒キノコという怖い罰まで下すわけです。前半の女性(見初められたウエイトレス)から後半の畏れる女神へと変身するのはキャラクターのブレというよりも、物語の即興性や神話性(ひいては普遍性)の補強と個人的には好意的に受けとめれた

アスパラガスのシーンで「オレはその気になれば悦んでコイツを食べる演技もできるんだぜ」と豪語していたレイノルズが終いにはもう満面の笑みでオムレツを口にするあたりは、もう凄く楽しい、そしてここも単純な対比ではなく複雑な捻れの心理が見えるけど

楽しいと言えばウエイトレスのアルマちゃんにニコニコしながら沢山オーダーするあの場面もいいよね。男ってタイプの人にはホントあんな感じ(それを演じるデイルイス!それとも地か?)。場面で言えばドライブのシーンは全部おもしろい、そしてスピード出てた方が絵的にオモロイだろうと、そんなPTAの抜け目なさ!ヒュー!

絵的といえば、細身のデイルイスの立ち姿だけで十分いいなぁとか、演技で言えば最初の試着シーンからどう見てもこのドレスをこの人が仕立てた様にしか見えないとか、挙げればきりがない

二人、ドレスを奪い返した後、路上でのキスシーン、なんですかねアレ、たまんなくイイですね

あと凄いトコ、ほとんどが室内の場面、そして物語の人物が非常に少ないこと

少し気になるところを挙げれば、毒キノコのお仕置きを喰って愛に目覚めプロポーズしたわけですが、そのあとの夫婦関係の冷え込みとか、あの辺すこし急ぎ足かなと思った。そして何よりその急ぎ足のまま、あの素晴らしい新年のパーティーのシーンが過ぎて行ってしまったこと。あそこもっと沢山見たかったでしょう!いいじゃんフェリーニみたいって言われたって、どうせみんなお祭りの場面とか好きなんだしっ!

(評価:★5)

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