[コメント] ブギーナイツ(1997/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
裏裏裏、ポルノの撮影や業界人による賑やかなパーティー、ブギーナイツではその裏の人間模様を描く
表と裏のウラ、光と影のカゲ、そう呼んでいるもの、まあ実際にそう呼ばれた方がしっくりイメージできるってのもあるけど、ウラこそ本当はオモテ、それが人生そのもので、人が生きるのは結局はそこなんだ
ブギーナイツ、ブギーな夜、そうだ、ブギーは夜と闇に紛れている
若きPTA群像劇への憧れ、野心と意欲に燃えたブギーナイツ
鏡の前で奇妙なカンフーポーズ、「キメた!」、きまってない!
惨めで素寒貧で糞ったれほど愛おしい、そんな気持ちにさせる、PTAはいつだってそうだ、そんな映画が好きだ、思わずジュリアンムーアの肩のそばかすにキスしたくなる
どこでもおっぱじめちまう色キチガイの奥さんの場面とか笑えただろ、でも結局旦那は奥さんを殺して自分もその銃で添い遂げる、ホントに愛していたから、だから撃った、笑えたけど笑えない場面だったんだ
(そして同じ夜、同じパーティー)君が気に入ると思って車を買ったのさ、気に入ってくれなきゃ返品しようと思ってた、キスしてほしい…、拒絶…、「俺はバカだ、大バカだ…」、こんなに悲しい失恋なんてありかよ
物語は混濁し加速してコインの表裏は目まぐるしく入れ替わるがその回転もやがて緩む、ドーナツ屋の奇跡、地獄の夜が明けて謝罪と赦し、ここに俺はキリストの影を感じる
人間個人の裏側を描くのは恐ろしいことだ(ゼアウィルのダニエル、マスターのフレディ)、しかしその人間模様となると互いが作用し輝きだす、そこをPATは撮る、美しく、優しい光で照らして
彼の作品をみて涙が流れるのはたぶんその優しさのせいだ
(オーバードースで病院に捨てに行かれる少女に入れ替わり登場するホフマン、ああ、今となってはなんてシーンなんだろうね)
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