[コメント] ラースと、その彼女(2007/米)
鑑賞後、しばらく考えてみたが、どうもよく分からない。
私には極めてご都合主義的な映画にしか見えない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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カリンと周囲の人々のおかげでビアンカが街に受け入れられると、 言い方を変えれば、ラースがビアンカを独占できなくなると苛立ちを見せるラース。 そしてラースはマーゴに愛情を抱くとビアンカを不治の病とし“殺して”しまう。 無論人形より人間を愛せるほうがいい。だが、本当にそれでいいのか? 人形を人間と完全に思い込んでいるラースにとっては、人間と人形の区別などない。 無用となったビアンカを殺してしまうように、今度はマーゴを殺してしまうのではないかと想像してしまう。
この作品を見て私が思い出したのが小林秀雄の随筆「人形」だ。 小林は急行列車の食堂車で人形を同伴させている老夫婦と食事を共にする。 夫は正気なのだが妻は正気を失っており、人形にスープを飲ませるなど世話を焼いているのだ。 小林はこの人形を戦争で失った我が子の身代わりと推測している。 そして周囲の人々はこの状況を察知し、無関心を装いながらも温かく見守り、晩餐は和やかに進む。
私にとってこの映画は、小林秀雄の名随筆を思い出せてくれた、それだけの存在かもしれない。
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