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[コメント] 舟を編む(2013/日)

正直原作は未読なのですが、この映画に関して言えば脚本が曖昧で中途半端な出来に落ち着いてしまっていて残念。ただ、良かったところを考えてみると人情物としての観点では面白い。そこにこの作品の主題があると思った。
deenity

辞書作りがテーマにはなってるけど、それに捧げた馬締くんの人生を描いた作品と考えると物足りない。一般的にどこにでもある会社風景と考えて作品を観ていても、人間関係の築く過程が曖昧で、ただ恵まれた馬締くんの人生になるだけで面白みがないだろう。じゃあ馬締くんの恋愛を描いた作品か、と言われるとまた違う。 言葉を大切にはしているけど全体を通して大きな役割を担っているとは言い難いし、人間関係はもっと丁寧に描いてほしかったし、かぐやさんとの恋愛も竜頭蛇尾でがっかり。正直手紙読んだシーンのやりとりも、結局何が言いたいの?って思っちゃったもん。

正直どこをとっても中途半端になってるんだけど、じゃあこの映画の何がよかったか、って聞かれたら人間の温かさを感じられるところ、だと感じました。確かに仲が深まるきっかけは曖昧だけど、誰もが温かい心を持っていて出てくる人物全てに好感が持てる。

ほら、「言葉が豊かだと心も豊かになる」とか言うじゃないですか。この言葉を思い出した時、要はこの作品はそういうことが言いたかったんじゃないかな、って思ったんです。西岡さんとか岸部さんの存在っていうのはその典型で、言葉に関わるにつれて人情も厚くなる様が表現されている。「言葉を大切にして心も豊かにしよう」こういうテーマで作られた作品だと思って観たら、結構いい作品だな、なんて思えたんですよね。

それにしてもこの映画は主役より脇役がいい演技してる。 オダギリジョーなんかいい味出しててこの作品で一番輝いてたんじゃないかな、って思った。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ロープブレーク[*]

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