[コメント] 6才のボクが、大人になるまで。(2014/米)
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一瞬の時間の大切さについて考えさせる。実際に12年間に及ぶ撮影により、少年の成長とともにワンシーンワンシーンが当たり前の日常のように流れていく。出会いや別れだけでなく結婚や離婚、卒業、転居など、抽象的にそのシーンごとに表現しているのは印象的だった。例えば卒業式だったり親の結婚だったり、子どもにとってその出来事自体に大きな意味があるのではなく、それも一つの成長していく通過点であり、どんな時間も同じ時間に代わりない。卒業式だって卒業を祝う家族パーティーだけだし、親の結婚なども説明もなしにいきなり挿入される。逆に映されたのは、幼い頃にどこにでも一人はいそうな変なことを言うおじさんをバカにしたり、無駄に仲間と板を割ったりするなどのありふれたシーン。作品のメッセージが時間の大切さなだけに、あえて行事に触れるわけではなく、ごく当たり前の生活を中心に映したのはよかった。
さらに言えば出会った人たちと仲を深めても、別れた後は基本的に再登場することがない。あとを引くようなつながりがこの映画にはほとんど映されていない。そこにも今を生きて一瞬一瞬を支えた出会いと、別れてもまた次を生きていくための出会いがある。その積み重ねで生きていく、今という一瞬一瞬を大切にしなければいけない、というこの映画のメッセージが伝わる。
そんな様々な人たちが通り過ぎていく中、ずっとそばにい続けた母であり妹であり別居はしているが父も含め、そういう存在の大切さは改めて感じた。特に一番味を出していた父イーサン・ホークは、実に自然な演技で存在の大きさを表現し、よき理解者として抜群の存在感だったと思う。
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