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[コメント] レヴェナント:蘇えりし者(2015/米)

ディカプリオ、本当におめでとう!ここまでやったなら相応の評価はされるべきだと思うよ。
deenity

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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ディカプリオがアカデミーを受賞した本作。IMAXにて鑑賞。IMAXで見れて本当によかった。

イニャリトゥの作品は正直あまり好きではありませんでした。『バベル』『バードマン』と自分好みではない作品でした。 それに対してルベツキの映像へのこだわりは大好きです。『ゼロ・グラビティ』『バードマン』での映像には本当に驚かされました。

本作でもその映像表現が非常に豊かに表現されています。冒頭の長回しでの戦闘シーンはもちろんですが、その他細かな長回しやカメラワークの利用、自然光とは思えない映像には文句のつけようがありません。 長回しでの迫力はもちろんですが、個人的にはカメラワークの方がポイントかと。度々映される自然の姿。下から映されるカットには異常なまでに絵に力強さを感じます。

もちろんそれを際立たせたのは主演ディカプリオの演技へのこだわり。正直ここまでやられたらアカデミーも獲るだろうな、と思わせるほど。特に話してもいないのに、それ以外の目、表情、身体全体、吐息に至るまで、全てにおいて復讐に燃える男を演じきっていました。 さらに復讐される側のトム・ハーディも見事。特に目ですね。力強い目、飄々とした目、恐れを抱いた目、どれも表情一つで読み取れるもの。凄まじかった。

内容は逆にこれくらいシンプルな方がいい気がする。イニャリトゥは自分には難しすぎるから、シンプルな復讐劇くらいの方が合う。そこに現地の民族辺りが絡んできて複雑でスリリングな展開にしたのは監督の設定がよかった。しかし、本作の根底には人間と自然という関係があり、自然の摂理の中で何とか抗って生きる人間も、生死は結局自然の運命に任せるというラストは魅力的で、イニャリトゥは難解な作品が多い中でこのメッセージは非常に深くわかりやすかった。 何よりこの自然の迫力の圧巻さ。自然はもちろん熊のシーンは本当に怖さを感じた。監督のこだわりもすごいってことだな。

(評価:★4)

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