[コメント] 手紙は憶えている(2015/カナダ=独)
この手の映画の見せ方はやはり出尽くしてしまったのだろうか。どうしても衝撃を素直に受け切れない。予告CMとかは見ない方がいいのかもしれないな。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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CMからして自分の好きそうな感じだったから全然俳優も知らない本作を鑑賞したが、予想通りの作品だった。 寝ると記憶が飛んでしまう、というよりも認知症で記憶を失うことを避けられないゼブという老人が主役。何となく記憶を失う様や復讐のためという目的なんかは、さながら『メメント』であり、刺青だったり手紙の指示だったりと共通する部分も多い。
本作の惹きつける要素としてはアウシュビッツとナチスドイツの深い因縁が渦巻いているテーマであること。これだけ根深いテーマだからこそ、ゼブが曖昧な記憶の中で手紙のことを信じるのだと納得できる。 こうでもしなきゃ殺しの指示が記された手紙に素直に従うのに納得できないし、真実への関心も高まる。
実際オチとして真新しいものはなく、見せ方も王道のサスペンスだが、ゆったりとしたテンポで一人ひとり丁寧にターゲットを絞っていく緊張感は、音楽とも相まって相当よかった。 そして謎めいた真実に少しずつ近づいていくうちに、ミスリードへと導かれていく感じはなかなか一興だろう。 ただ、どうしても設定上記憶がなくなるし、老人だし、戦争当時の恨みや憎しみなんかが弱いように見受けてしまう。もっと際立たせるような演出があったらもっとよかった。
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