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[コメント] ファースト・マン(2019/米)

伝記映画は少し苦手です。淡々としてるから。でもこの作品には惹きつけられる点がいくつかあって満足しました。
deenity

**ネタバレ注意**
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ディミアン・チャゼル監督の最新作。ライアン・ゴズリング好きですねー。前作『ラ・ラ・ランド』からの関係で、いいコンビになってきました。 前作と言えば、この人の作品は今のところ外れがない。その分、期待値がかなり高かったから、それを踏まえると本作はちょっと下回ってしまった印象はある。ただ、初めての月面着陸に成功したニール・アームストロングに焦点を当てた伝記映画で、正直苦手ジャンルなんだけども満足感はあった。その辺りがさすがの安定感だなと感じた。

今まで宇宙進出におけるアメリカとソ連をテーマにした映画は何本か見てきたが、初めてその問題を国民がどう捉えていたかを理解できた。宇宙への挑戦には莫大な資金が必要になる。それを支えるのは国民で、結果が出るまで逆風が途絶えないのは考えれば当たり前なのだが、月面着陸までの背景を知ることができた。

映画館で見てよかったと思えるのはやはり音だ。あの宇宙空間での優雅なメロディーや無音の使い方は印象深い。この辺は音楽映画を作ってきた監督ならではのこだわりポイントだろう。 月面着陸シーンはもちろんだが、一番力が入ったのはその前の宇宙でのトラブルのシーン。回転が止まらずブラックアウト寸前の極限状態の緊張感はとてつもなく、あれがあったからこそ月を目指すことの難しさを感じた。

見所でいうとやはりゴズリングの葛藤はグッと来るものがあり、心のどこかに誰にも言えない悲しみを抱えながら、それでも真っ直ぐ月を目指すあの瞳。ロケットの振動の中でも確かに真っ直ぐ月を見つめている。あの目はとにかくかっこよかった。 思えば娘をなくした時に一人こっそり涙を流すあの目といい、また、ニールをずっと思い、気にかけ、支えていた奥さんを演じたクレア・フォイのあの目といい、目力が印象に残るシーンが多かった。ちなみに奥さんで言えばタバコをふかすシーンはどれも名演技だと思う。

ただこの監督にとっての見所はやはり決まって必ずラストシーンだ。 チャゼル監督は夢というのをテーマにしている。『セッション』『ラ・ラ・ランド』と常人では辿り着けないその境地を目指す葛藤がこの監督の表現したいところなのだろう。どの作品もその夢の境地に辿り着いたその後の余韻。本作で言えば奥さんとガラス越しに見つめ合うそのシーンが最高の見所だと思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)プロキオン14 ナム太郎[*] おーい粗茶[*] けにろん[*]

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