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寒山拾得さんのコメント: 更新順

★4KOTOKO(2011/日)描かれるのは虚構の症状だろうけど、子育て不安を神経症的に描いて細部の深度が普遍に至っていると感じさせる。自虐を解決するのは他虐という中盤の認識も、そんなものかも知れない。厭になるけど。[投票]
★4湾生回家(2015/台湾)湾生(わんせい)、日本統治下の台湾で生まれ育ち、敗戦で日本に強制送還された日本人の、台湾への想いが綴られる。いろんな感想が湧き出る良作。 [review][投票]
★4鞍馬天狗 角兵衛獅子(1951/日)GHQ検閲終了祝いにサイレント好みのチャンバラが繰り広げられ「菊は二度咲く葵は枯れる」と唄われる。オールド・リベラルが戦後民主主義と摺り合せをしている具合なのが実に興味深い。軽快で好ましい作品だが、嵐寛水責めや月形との対決は軽快が過ぎただろう。[投票]
★2明日への遺言(2007/日)無差別空襲を裁く素晴らしい主題は迷走につぐ迷走、略式裁判しておいて法廷闘争もないものだという地金が露わになるばかりで、部下庇うありがちな美談しか残らない。情緒蔓延も耐えがたく、米は兄日本は弟などと感激して叫ばれても困るし、ふるさと合唱など最低の演出だと思う。[投票(1)]
★2空中庭園(2005/日)小賢しいオンナを叩きまくる菊池寛原作みたいな古臭い作劇にウンザリさせられるし、毒親対決の一方に軍配を上げるのがそもそも無理筋。愛と再生縛りの物語は不自由、水で薄めた『家族ゲーム』という感想。 [review][投票]
★4太平洋のGメン(1962/日)気楽な江原真二郎に気楽な退屈男と気楽な佐久間良子が絡む、見事なまでに気楽な一篇。物語のどうでもよさが徹底しておりある意味理想的、それでいてラストはちょっといい。端役まで念が入っており気楽な看護師がいい。[投票]
★3宇宙大怪獣ギララ(1967/日)月世界の女』を想起させる月面の三角関係もの。肝心の描写はすっ飛ばすのにどうでもいい細部を詳述する演出もラングの影響ではないだろうか。ポップな劇伴面白く、庶民的な原田糸子が好感。タイツ姿の浜田寅彦は怪獣より奇怪である。[投票]
★3およう(2002/日)モテまくる熊川哲也を眺めながら、こんな人生もあるのだなあと竹中直人目線で過ごす二時間。存外エロに走らず、テレビドラマ系の構図連発は安定しており、晴雨の襖絵など美術はとても優れている。大杉栄付き。[投票]
★4十月になれば(1984/ベトナム)未亡人の秘められた恋愛を描くメロドラマなのだが、凛とした緊張感と気品のあるいい作品。ズエンのレー・バンは松原智恵子さん似。 [review][投票]
★5無人の野(1979/ベトナム)メコンデルタにおけるベトコン夫婦と米ヘリとの対決。機関銃ぶっぱなす女というフォルムの究極がここにあり、同じ形状を取る娯楽作はどれも本作の模倣に観えてしまうだろう。現実との往還を経たフィルムの生々しさよ。 [review][投票(1)]
★5砂のような人生(1999/ベトナム)ジュネーヴ協定の不履行が残した取り返しのつかない20年。アジアのもうひとつの南北問題、善人たちがもがく姿を淡々と描いて切ない。 [review][投票]
★4死者からの手紙(1986/露)諦念を込めて描写される核戦争後の世界。なぜ人は廃墟を観るのが好きなのだろう。ガスマスクの行列、水没した図書館、外界とのハッチの剥き出しになった無機質な施錠の仕掛け。 [review][投票]
★4戦火の大地(1944/露)ウクライナの対独占領レジスタンスもので強烈。時の大統領ルーズヴェルトが感銘を受けたと語ったらしい。この、復讐に理屈はいらないという主題は、後年連打され過ぎたが本作の時点では新しかっただろう。為政者が愛国者を有難がるのは政治体制を問わないのだろう。 [review][投票(1)]
★3がんばれかめさん(1970/露)先生とお揃いのベレー帽、ケンケンで登校する女の子、みたいなユーモア満載、ポップな画づくりの気楽な作品。股間のかめさん触っていい? ぐらいの艶笑譚付。話はナンセンスが過ぎてとりとめのない印象。[投票]
★3ジプシーは空にきえる(1976/露)愛に生きるジプシー・ウーマン、みたいな通俗観念を全世界にまき散らしたような作品。ほんまかいなと思ってしまう。 [review][投票]
★3陽気な連中(1934/露)冒頭の山羊引き連れた牧童の楽隊行進がさっそくの見処で、素敵な長回しも楽曲も『会議は踊る』(31)を想起させる。ごくごく他愛ない話は狙いなんだろう。 [review][投票]
★2乙女のゐる基地(1945/日)アイドルを登用せず集団劇に徹するのは『一番美しく』への批評があるのだろう。日本映画社『陸軍特別攻撃隊』を想起させる原保美の特攻出撃は殆ど新婚旅行出発のようで、「大義」に殉じる喜びだけがあり悲壮感の欠片もなく、戦中映画の異様さの典型。[投票]
★3赤いカリーナ(1973/露)ソ連邦でもヤクザ組織があったのだと知る。雪原に建つ風呂場の佇まいがとても印象的。 [review][投票]
★3OUT(2002/日)のっぺりした願望充足のアンチドラマが狙いなんだろうけど、人を狂わせるにはやはり段取り不足で作りものめいているし『冷たい熱帯魚』の後では不足感。千石規子さんを介護する美津子吉田日出子と、豪華中高年女優の共演は愉しめる。[投票(1)]
★5コント55号 宇宙大冒険(1969/日)ダメおやじ』と並び称されるべきジェームス三木の大傑作。戦争と平和を語って馬鹿馬鹿しくも説得力があり、終盤畳みこむ構成が冴えまくる。積極的に安いセットが愉しく高橋紀子がとびきりキュート、川口浩はすでに探検隊。[投票]