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寒山拾得さんのコメント: 更新順

★5花嫁人形(1919/独)最初から最後まで数珠繋ぎのギャグが打率9割越えの面白さ。そして可憐なダンスが極上。『生きるべきか死ぬべきか』と並ぶルビッチの最高傑作にしてキートン『マイホーム』と並ぶサイレントコメディの極めつけ。★6級。 [review][投票(1)]
★5牡蠣の王女(1919/独)人間を止めたがっている者ばかりが登場するこの人間機械論は、映像でもってなされるギャグのひとつの源流という感触がある。現代のユーチューバ―が科白無しのギャグのスケッチを撮ったら、相当数が本作に似てしまうのではないだろうか。 [review][投票]
★3男になったら(1918/独)ルビッチの全盛期は本当はサイレント期ではないのだろうか。本作はオッシー・オスヴァルダ版「男はつらいよ」。驚くべきは撮影美術で、同時代のチャップリンと比べて断然上等。 [review][投票]
★4月世界の女(1929/独)失われたSFの愉しさ。例えば月の裏側に大気があるというロマンは、失われてしまったが29年時点ではリアルだった。そのうえに構想された、当時だからあり得たファンタジーの想像力。 [review][投票]
★3ニーベルンゲン 第一部 ジークフリートの死(1924/独)本作の炎の撮影美術は秀逸。開巻間もなく登場する竜はマジで口から火を噴いているように見え危険極まりなく、そのキュートな眼差しと併せて怪獣ファン必見。[投票]
★3ニーベルンゲン 第二部 クリームヒルトの復讐(1924/独)二部も火の燃えさかり具合が見事なもの。上映会場の市長が河村某ならリコール運動が始まるところだろう。火事は『』が、槍投げの見事な刺さり具合は『蜘蛛巣城』が想起される(コメントは一・二部通し)。 [review][投票(1)]
★3ドクトル・マブゼ(1922/独)ラング暗黒街もののはしりだがまだ画で語っておらず、『M』以降の面白さはないし『カリガリ』みたいな美術の冴えもない。ただ「催眠術師フォン・ヴェンク」の件は素晴らしい。トーマス・マン「マリオと魔術師」(30)に影響を与えたのではないか。 [review][投票(1)]
★3死滅の谷(1921/独)ラングの全盛期はハリウッドにあり、サイレント期の大作はどれもやたら長尺なばかりで大したことがない。本作は本邦の地獄絵、百鬼夜行図みたいな作品。 [review][投票]
★5ヴァリエテ(1925/独)最強のホラー映画。ホラーのキメのショットの原型が一ダースも詰まっており、ありがちな三角関係をとても繊細な映画にしている。 [review][投票(1)]
★4都会の女(1930/米)サンライズ』より弱い作品だろう。都市と地方を問う主題はジャンル映画の紋切型に後退しているし、美術もさすがに比較すれば地味。ただ、喜悦溢れる小麦畑到着の移動撮影は箆棒で驚異的。ここだけで鑑賞料金は回収された。 [review][投票]
★3人生の乞食(1928/米)辛くも愉しい乞食体験は幾つもいいショットがある。藁山の一夜、ジャングルなるホーボーの炊き出し集会、貨物列車へのいろんな飛び乗り。見処はその辺り。 [review][投票]
★3百貨店(1926/米)本来は真面目な姉が主人公なのだが、時代は悪女の妹ルイーズ・ブルックスを主演に押し上げてしまったんですな。「君って頭はバカだけど服装のセンスはいいね」と云われて満更でもない顔している彼女に驚嘆させられる世界大恐慌3年前作品。 [review][投票]
★4雀(1926/米)敬虔による救済の強調が実に力強い。キリスト教なしに人が救われることなどあり得ないように思われてくるほどだ。「あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。だから恐れるな」。 [review][投票(1)]
★3魔術師(1926/米)話は平凡でサラサラ進んで余りインパクトがないのだが、すでに上等な撮影美術で、50年代のハマープロと騙されても判らないレベルの悪魔信仰映画。原作モームなんだ。 [review][投票]
★5知られぬ人(1927/米)フリークス』の後日譚というべきか前日譚というべきか。クライマックスの大盛り上がりはちょっと類例が思いつかないほどで、評価せざるを得ない。子供が見たらヒキツケをを起こすだろう。私も二度と観るのは御免だ。忘れられなくなる悪夢。 [review][投票]
★5殴られる彼奴(1924/米)チャップリンの隠し味的なペーソスを全面展開してインパクトもの凄い傑作。吉本のハリセンもまた「悪意に満ちた無教養の暇人を喜ばせていた」ものだと思わされる。「人間ってバカね。殴られるピエロで笑うなんて」。 [review][投票(1)]
★2天罰(1920/米)大正時代らしいポプラ社の少年探偵団の世界。エログロ新東宝映画からエロだけ除いたようなデイストで、倫理的にも古臭く劣っている。撮影美術は30年代で通るハイレベル。 [review][投票]
★3霊魂の不滅(1920/スウェーデン)まだお勉強で観る映画なんだが、ランプや蝋燭の灯りの微妙な明滅は美しい。当時の技術ではほとんど神業だったんだろう。 [review][投票]
★3水の娘(1924/仏)当該水の娘の年齢詐称と厚化粧が酷すぎる。何かの事情で採用せざるを得なかったんだろうか。いい映画なんだけど愛せないフィルム。替わりにリリアン・ギッシュなら★5だっただろう。 [review][投票]
★5戦争と平和(1919/仏)アベル・ガンスらしい力技でゴリゴリ観せるのだが、内容がDV亭主挟んだ三角関係では何だかなあと思っていると、終盤別のスイッチが入ってもの凄いことになる。 [review][投票]