寒山拾得さんのコメント: 更新順
将軍と参謀と兵(1942/日) | 師団長訓示「出来るか出来ぬかを考えるに先立ち、何をしろと命ぜられたかを考ふ可し」。とんでもないブラック企業だ。命じられても出来ないものは出来ない、とは考えさせてくれないのだった。そして映画はこれを否定してくれない。 [review] | [投票(1)] | |
消えた中隊(1955/日) | 三村明監督第一作で第二作はなかったのだが、ここまで失敗作なら仕方ないだろう。監督の才能がなかったのだ。話は空疎だしまるで纏められていない。 [review] | [投票] | |
最後の突撃(1956/日) | 水木しげる「総員玉砕せよ!」で有名なズンゲン玉砕が描かれる。水木も参照にした原作の映画化で、込められた思いは正反対に見えるが、ともあれ水木ファンは必見。 [review] | [投票] | |
処刑の部屋(1956/日) | 猥褻学生を題材にいかにも安っぽく描かれたギリシャ神話のエロスとタナトスと云ったところか。山口敬〇なんて人は本作に多大な影響を受けたのだろう。 [review] | [投票(2)] | |
水戸黄門(1960/日) | 1960年に御用提灯の後ろ側にいるのが東映のスタンスだったと判ってシラケる由比正雪もの。東映オールスターの真ん中にいるのが杉狂児と原健策という配列は好ましい。 [review] | [投票] | |
スパイ・ゾルゲ 真珠湾前夜(1961/日=仏) | 電波探知車なる車の天井から突き出てクルクル回るアンテナがとてもインパクトがあり、初期SF映画の間抜けな美術みたいなのだが本物なんだろうか。 [review] | [投票] | |
金門島にかける橋(1962/日) | ロマンスは間抜けなレベルだが、中台紛争を曲がりなりにもリアルタイムでロケした一点で価値高い中央電影公司共同製作作。 [review] | [投票] | |
王将(1962/日) | 演れば演るほど阪妻の影を感じざるを得ないなか三國連太郎は好演、豪勢なセットを慈しむように撮るキャメラが美しい。もう少し日蓮宗が大人しければ、愛してしまいたい映画なんだけど。 [review] | [投票] | |
俺は地獄の部隊長(1963/日) | 東宝の愚連隊シリーズの対抗企画らしくいかにも安物。『沖縄の民』(56)で真面目に戦争を問うた古川卓巳が、一転こんな玉砕を消費するような映画を撮ってはいけないと思うんだが。 [review] | [投票] | |
出撃(1963/日) | 芦川いづみの「貴方が飛んだら日本は勝てるの」なる発言、昨今の右翼映画なら総出で窘めにかかる処だろうが本作では称揚される。『永遠の0』のネタ元のような、死んだら蛍になる、靖国の桜で会おう、なる遺言は、前者は守られるが後者は黙殺される。 [review] | [投票] | |
二人だけの砦(1963/日) | 不覚にも寝てしまった。70年代の新藤を先取りしたような抽象的で奇怪なタッチで、唐突に踊りだしたり変なギャグが展開されて客席も一部ウケていた。何だったのだろう。 [review] | [投票] | |
愛と死の記録(1966/日) | 好調蔵原の日活期後半は誠に神懸っている。センチにならざるを得ない題材をドライに物してしまった。広島ロケの借景がどれもいい。 [review] | [投票(2)] | |
夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース(1968/日) | この悲喜劇の根源は高速道路の用地補償で山売って儲けた伴淳三郎だと、映画は彼を指弾してやまない。同年に『あゝ予科練』を撮る右翼監督の同時代認識か。オープン屋の蘊蓄が面白い。 [review] | [投票] | |
いい湯だな 全員集合!!(1969/日) | この気楽な歌謡映画に力技で東京大空襲を割り込ませる森崎東に好感度大。生田悦子を取り囲んでミヨちゃん歌うシーンがないのは不満。追加してください。 [review] | [投票] | |
おさな妻の告白 衝撃(1972/日) | ゴールデン街の二階の窓から全裸で手を振る片桐夕子。彼女の儚い造形は田中絹代の再来のよう。本作は彼女の魅力に忠実なのがいい。代表作だろう。 [review] | [投票] | |
虹をわたって(1972/日) | 処は横浜元町、河口に延々続くだるま船の縦列駐車(三重)はセットで組める規模ではなく、当然ロケなんだろうが、本当に水上生活者が住んでいたのだろうか。『泥の河』の加賀まりこのような。 [review] | [投票] | |
嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊(1977/日) | 男前の赤道にコケるし泉じゅんの端役扱いは憤懣やるかたない。面白いのは大阪駅と新大阪駅を間違える件でありがちだ。あとはミミズちゃん捜しの電車内長回しぐらいか。 [review] | [投票] | |
元祖大四畳半大物語(1980/日) | 曽根中生が積み上げてきた遣る瀬無いパッションがここでも反復されているのだがいかにも軽く、80年代への過剰反応に見える。見処は大フューチャーの原泉さんでファン必見。 [review] | [投票] | |
次郎長青春篇 つっぱり清水港(1982/日) | 凡々な造形ばかりのなか『ガキ帝国』の好調を持ち込む島田紳助だけが生気に溢れて素晴らしい。歴代最高の石松ではなかろうか。しかし私的ベストショットは大谷直子と愉し気に同衾する三木のり平で人生観が変わりそうになった。 | [投票(1)] | |
戦争と青春(1991/日) | 戦争体験とはこのように語りにくく、多くは墓場へ持っていかれたのだろう。町角毎に本作のような悲劇があったに違いないのに。井川比佐志とともにそう思わされる。 [review] | [投票] |