寒山拾得さんのコメント: 更新順
人間模様(1949/日) | お惚けな上原謙、ヒス系の月丘千秋、ノアールな伊藤雄之助の噛み合った軽快な序中盤が素晴らしく、撮影も意欲的なネタが連発される。初期市川崑の快作。メロドラマに収束するのが残念。 [review] | [投票] | |
果てしなき情熱(1949/日) | 古色蒼然たるメロドラマ。堀雄二の葛藤は結婚した途端にDVに走る亭主の云い訳であり、月丘千秋の献身は殆ど奴隷制度のイデオロギー、とフェミニストなら云うんだろう。もっともだと思う。 [review] | [投票] | |
忘れられた子等(1949/日) | 特殊支援に携わる先生方に是非観てほしい秀作。本作には得難いユーモアがあり、共生の温もりがある。これを理想にしなければ世の中真っ暗闇だと思う。 [review] | [投票] | |
手をつなぐ子等(1947/日) | 当時の知的障碍児の置かれた境遇を記録した序盤が重要なのだろう。物語は佐藤紅緑風の喧嘩して友達みたいな学園ドラマで凡。山金君が中山君から主役を奪っちゃうのも喰い足りない。次作のほうが断然優れている。 [review] | [投票] | |
どぶろくの辰(1962/日) | 見処は圧倒的に淡島・池内の花札勝負なのだが短すぎる。赤シャツ着て長髪の三船は登山家にしか見えず低調、クロサワ映画以外でもゴリラの物真似するのは発見だったが別に面白い訳ではない。三橋はいい造形で性暴力への敷居の低さはサンプル的価値あり。 | [投票(1)] | |
ある殺し屋(1967/日) | 野川由美子のお下劣なビッチ・キャラ造形を愉しむ映画。脚本家は絶対、個人的な女への憾みを叩きつけているに違いない。 [review] | [投票(1)] | |
われ一粒の麦なれど(1964/日) | ポリオの歴史について啓発的。単体では不足気味だが、その後松山が撮り続ける障碍児映画の端緒として価値ある作品だろう。彼こそが本作の、正義に憑かれた小林桂樹だった。 [review] | [投票] | |
ワレサ 連帯の男(2013/ポーランド) | 立役者のひとりである老匠の愉し気な回想。重圧ばかりの過去作からの解放感が伝わってくる。歴史を創ったワイダにだけ創作が許された痛快活劇。 [review] | [投票(2)] | |
夜の蝶(1957/日) | ブラックユーモアに微妙に振れる演出意図を両名優が的確に把握しているのが心地よく伝わってくる。 [review] | [投票(2)] | |
異邦人の河(1975/日) | 在日コリアン対潜伏KCIAという箆棒な展開なのだが不足。なお、本作はジョニー大倉が実名で出演した作品であり、パク・ウナンと記してほしい。 [review] | [投票] | |
ストーカー(1979/露) | 『鏡』と一対をなした母体回帰の物語 [review] | [投票(4)] | |
鈴木家の嘘(2018/日) | 木竜麻生がどんどんどんどん魅力のない娘に見えてくるだけの映画。これでは俳優が可哀想。 [review] | [投票(1)] | |
隠された記憶(2005/仏=オーストリア=独=伊) | ハケネ曰く、先進国に生きる者は誰も後進国への罪意識を心のなかに抱えている。「疚しさとは何かと思っていました。これで判りました」。 [review] | [投票(2)] | |
裸の大将(1958/日) | 癖になる話法の発明という喜劇のひとつの理想を見事達成。「人は普通に死んだら仏様になって、戦争で死んだら神様になるんだな」。 [review] | [投票(1)] | |
タイム・オブ・ザ・ウルフ(2003/仏=オーストリア=独) | 映画は現代のキリスト教だ、人は日曜に教会の代わりに映画館へ行き、受難や奇跡や愛を学ぶ(岡田温司)。本作は受難9割9分、1分を残す匙加減はハケネの真骨頂。 [review] | [投票] | |
父と子 続・名もなく貧しく美しく(1967/日) | 「劣性遺伝」の風評への抵抗という主題は真摯なものだが、かの静かな名作の続編に前衛手法を採用しては虻蜂取らずだし、終盤の迷走はいくら何でも拙い。美点は原泉さんの大活躍。 [review] | [投票] | |
思えば遠くへ来たもんだ(1980/日) | 脂っこい映画を予想させる面子なのに軽快に纏められているのが好ましく、最良の箇所は「男はつらいよ」を彷彿とさせる。体罰ネタは残念で減点。 [review] | [投票(1)] | |
(秘)極楽紅弁天(1973/日) | 江戸に仮構された元祖ヒッピー集団が放蕩の限りを尽くして阿呆らしくも素晴らしく、顔が見事に相似形を描く片桐夕子と芹明香のアーパーコンビが素敵。 [review] | [投票] | |
若おかみは小学生!(2018/日) | 昨今の頓珍漢と伝えられる道徳の教科書もこんなものなんだろうか(含『千と千尋』のネタバレ)。 [review] | [投票(4)] | |
コード:アンノウン(2000/仏=独=ルーマニア) | イジワル爺さんが何故私はイジワルなのかを告白しているのだが、それは極めて真摯で切実なものだった。25年後の『ヒア&ゼア』はパリだけで撮れてしまったのだ。 [review] | [投票] |